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【無料キャンプ場】勝原園地は他人に教えたくない穴場なキャンプ場

【更新情報】2019年7月

今回紹介する勝原園地(かどはらえんち)は、福井県大野市(おおのし)にある無料のキャンプ場です。

管理は大野市がしていて、利用にあたっては、事前予約も申し込みも一切不要。

一年を通して解放されており、いつでも、だれでも、自由に利用できるというお手軽さが魅力です。

勝原園地は、福井県内を流れる一級河川九頭竜川(くずりゅうがわ)沿いにあり、夏の時期は、川遊びや鮎釣り、河川敷でのバーベキューなどでにぎわいます。

また、この場所の南側にあるJR越美北線勝原駅の隣には、約150本の花桃が咲くことで有名な勝原花桃公園があり、開花の時期の風景は、まさに桃源郷のようです。

勝原園地は、利用に際しての自由度が高い反面、キャンプ場内の施設はトイレとベンチ、テーブルしかありません。

水場はありますが、湧水をかけ流しにしてあるだけで、そのままの状態で飲むことは避けるよう注意書きがあります。

日中の川遊びやバーベキューなどのデイキャンプにはおススメですが、宿泊地としてはけっこうハードルが高く、初心者向けとは言えません。

地元の方以外は知る人ぞ知るといった穴場的な場所なので、一般的なキャンプ場とは違った雰囲気を味わいたい方や車中泊に向いたキャンプ場だと思います。

 

人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。

なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。

この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~



勝原園地までのルート

勝原園地のある大野市は、福井県東部の内陸に位置する市で、県内の市町の中では最大の広さを持ち、県面積のおよそ5分の1を占めています。

福井県大野市は、霊峰白山の支脈に囲まれた緑豊かな自然からなるおいしい水と食に恵まれた、歴史、文化、伝統が息づく城下町です。

大野市の歴史は、1575年、織田信長の家臣だった金森長近(かなもりながちか)が一向一揆の討伐のため、大野に侵攻してこれを平定。

その後、大野盆地にある亀山に大野城を築城し、そのふもとに碁盤目状(短冊形)の城下町をつくったことがはじまりです。

400年を超える歴史を持つ大野の町並みは、寺院が連なる寺町通りや城下町が誕生したころから続いている七間朝市(しちけんあさいち:地面に農産物や加工品を並べ生産者とお客さんが楽しい買い物を行える市)など、当時の風情を色濃く残していることから、「北陸の小京都」な~んて呼ばれています。

"小"ってわざわざ付けるあたり、大野の方の謙虚さや奥ゆかしさが出てますよね~

歴史と伝統の城下町ってところは、雨晴キャンプ場のある富山県高岡市に似てるかな。

 

さて、勝原園地は、大野市の中心市街地から東に約12.5km、車で18分くらい。

最寄りの中部縦貫自動車道「大野」ICからも、だいたい同じくらいの距離と時間です。

勝原園地は、まちの中心からそれほど遠くなく、交通のアクセスも悪くないんですが、周辺にスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ガソリンスタンドはありません。

飲料可能な水道設備もありませんから、事前に準備をしてから行かれた方がいいですよ~

勝原園地を紹介するよ

大野市の北西部は、大野盆地と呼ばれ、北と東は加越山地、西は越前中央山地、南は越美山地に囲まれています。

盆地内では九頭竜川や真名川、清滝川、赤根川の四河川が平行に北へ流れており、これらの川によって作られた扇状地などを見ることができます。

園家山キャンプ場のある富山県の入善町もそうでしたが、扇状地である大野市は、古くから湧水がめっちゃ豊富な土地です。

地下水は、飲料用水などの生活用水ばかりでなく、農業や工業などにも利用されてきました。

大野市の元を作った金森長近は、京の都を模して大野市の町づくりをはじめたわけなんですが、町の東端にお寺を集めて「寺町」をつくり、そこから西に向かって、五番・四番・三番・二番・本町通りと碁盤の目のように通りを配置したんですね~

で、道路の中央部に上水道の機能をもつ水路を設け、そこには水量の豊富な本願清水(ほんがんしょうず)の湧水を水源としました。

大野市泉町にある御清水(おしょうず)は、昭和60年、名水百選に選ばれ、また、本願清水は、平成20年平成の名水百選にえらばれており、「名水と朝市のまち 越前おおの」を代表する名水となっています。

ただ、あまりにも地下水を利用しすぎるので、地下水の湧水量が減り続けているって問題もあるみたいですね~

勝原園地までの道順について

勝原園地へは、大野市の中心から国道158号線を九頭竜川に沿って東進します。

 

県道173号線との分岐が見えたら、左側の道路に沿って「上小池」と書かれた方面に進みましょう。

 

勝原園地の案内板があるので、この交差点を左折します。

(交差点を直進すると勝原駅があり、そこには飲料可能な水道設備があります。)

あとは道なりに北に向かって進むだけなんですが、民家と民家の間の細い道路や田んぼのあぜ道のような小道を進むので、「あれ?これ、人の家の庭先じゃね?」って思うようなところも通ります(笑)

普通車は問題なく通れますが、大型のキャンピングカーやキャンピングトレーラーを引いた車両などは、おそらく通行ができないかと思います。

 

国道158号線と県道173号線の分岐から、だいたい3分ほどで勝原園地に着きます。

駐車場はアスファルト舗装され、平坦で東西に広がる長方形をしており、区割りはないですが、普通車が20~30台は止められるほどの広さです。

駐車場にいたるまでの細い道路さえ抜けてしまえば、駐車場の敷地は広く、車は止めやすいですね~

 

勝原園地の全体図がこちら。

駐車場と休憩広場は見てわかりますが、西側にあるテントサイト、バーベキュー広場、自由広場は、ぱっと見だと区別がつきません(笑)

休憩広場はキレイに手が入っていましたが、テントサイト周辺は草が伸び放題で、キャンプ場としてきっちり管理されている感じではなかったですね~

 

勝原園地を利用するときの注意事項です。

焚火は直火禁止ゴミは持ち帰り

これは、無料キャンプ場の定番のお約束ですね。

テントサイト周辺への車両の乗り入れは規制されていません。

あとで詳しく書きますが、このキャンプ場には飲料可能な水道設備がありません

湧水の豊富な大野市らしく、湧水ががんがん流れ出ている水場はあるのですが、いわゆる生水ですので、そのまま飲んじゃダメなんです。

大野市内で飲料可能とされている湧水を汲んでくるか、勝原駅の水道を使うか、あるいはミネラルウォーターを準備してくださいね~

テントサイトおよびその周辺について

テントサイトは、案内図上は、休憩広場の西側になります。

ただ、それ以外の場所がテント設営禁止とか厳しく決められているわけではないので、ほかの利用客の邪魔にならないようにテントを設営すればいいんじゃないかなって感じ。

 

駐車場から西側に進むと、右手がテントサイト。

左手がバーベキュー広場です。

未舗装の道路をまっすぐ進むと、九頭竜川の河原へ出ることができます。

一番奥が自由広場になっています。

見ての通り、用途別にきっちり区分けがされている様子はありません。

そして、これまた写真の通り、この時の天気は大雨でした(笑)

勝原園地の魅力を伝えたかったんですが、悪天候のせいで、マイナスのイメージになっちゃってたらゴメンナサイ。

ちなみに、ボクの中古で買ったソニーのCyber-shot DSC-WX300は、雨に打たれすぎて、しばらくオートフォーカスが動かなくなっちゃった。

このとききは、マジで防水でめっちゃ頑丈と評判のリコーのWG60が欲しくなったっスよ(笑)

 

写真、見にくくてすみません。

テントサイトは、土と芝生のフリーサイトで、松林の中にあります。

木陰になっていて、涼しげな感じです。

地面はうねりが大きく、平坦な場所は少ないですね~

車両の乗り入れが規制されていないので、荷物の搬送はまったく問題ありません。

オートキャンプ場みたいなもんです。

 

バーベキュー広場と書かれた場所です。

かなり草が伸び、地面は凸凹しています。

 

テントサイトを先に進むと、九頭竜川の河原に出ることができます。

このあたりは、地元の方が川遊びに利用しています。

もうちょっと西側へ行くと、アユの釣りポイントです。

釣り情報は、大野市漁業協同組合の公式サイトでご確認ください。

なお、川の上流にはダムがあって、放流するときは警告が出されるので、増水には十分注意してください。

 

ちなみに、この九頭竜川、名前の由来が3つほどあります。

一つは白山権現尊像を川に浮かべたところ、九つの頭を持つ竜が現れたって説。

もう一つは、国土を譲るために置かれた4つの神様のうちのひとつ、北の黒竜大明神の前を流れる黒竜川(くずりゅうがわ)から取ったって説。

最後の一つは、1310年代から1370年ころまでにかかれたとされる「太平記」に黒竜神社(クズレ明神)と記されているほか、1480年に書かれた「大乗院寺社雑事記」の絵図には「崩川(くずれがわ)」という名前が見られ、いつしか九頭竜川と名付けられたので説です。

 

テントサイトからさらに西側に進むと、橋が架かっており、その先が自由広場です。

車両進入禁止の注意事項は見当たりませんが、幅が狭く、4輪車の通行はできません。

 

川沿いにテーブルやベンチなどが置かれていますが、あまり利用されてなさそう。

駐車場やトイレから遠いので、川遊びやデイキャンプに使うにはいいかもしれませんが、宿泊場所には向かないと思います。

 

こちらは駐車場の北側の休憩広場。

草も短く刈られており、テントサイトやバーベキュー広場に比べると、手が入ってる感じ。

駐車場の直近だし、トイレや水場に近く、広場内には木製のテーブルとイスが置いてあって、休憩広場がいちばん利用しやすいと思いました。

携帯電話の電波はドコモ4Gで、アンテナMAXで受信状態は良好です。

なお、テントサイトも含めて、勝原園地の中には電灯はまったくありません

夜間に利用するときは、照明器具がぜったいに必要ですね~

また、東屋などの屋根付きの施設もないので、ボクが行ったときのような大雨や落雷の避難場所がまったくないんです。

川のすぐ近くでもありますから、悪天候のときの利用には十分気をつけてくださいね~

水場について

勝原園地には調理ができるほどの施設はなく、駐車場内に水場があるのみです。

 

大野市は、豊富な湧き水を今でも飲料用水などの生活用水に利用しているほどで、ここ勝原園地でも、湧水を流しっぱなしにしてあります。

ただし、この水は飲料水として認められていないため、飲むことはできません。

勝原園地でバーベキューやデイキャンプなどを楽しむときは、前もって飲料水を準備していきましょう。

水の豊富な地にあるキャンプ場なので、この点はちょっと残念ですね~

トイレについて

トイレは、駐車場内に1つあるだけです。

しかも、外観はお世辞にもキレイとはいいがたく、「まあ、いちおうあります」的な感じ。

勝原園地でキャンプをするとき、一番ハードルを上げてるのが、このトイレでしょうかねえ。

 

コンクリート造りの建物で、ひと昔・・・いや、3昔前くらいの公衆トイレの外観です。

 

男女兼用で、男性用小便器が3つ。

 

大便用は汲み取り和式が一つ。

きっちり掃除はされていて、トイレはまったく汚くありません

ただ、建物の老朽化が進んでいることと、アンモニア臭がきついこと、そして、夏場は虫がたくさん出ることが、かなりのマイナスポイント。

さらに電灯はありませんので、夏の夜に利用するには、相当な覚悟がいるかも。

勝原園地データ

勝原園地は、日本三霊山のひとつ、霊峰白山(はくさん)の支脈に囲まれた緑豊かな自然と豊富な湧き水に恵まれた、歴史ある大野市にあります。

福井県のシンボルでもある九頭竜川沿いにあり、夏は川遊びや釣りなどをしながら、家族でバーベキューを楽しむには最高の場所です。

また、付近には勝原花桃公園があり、春には約150本のハナモモをはじめ、地域の方々が育てたチューリップや水仙が咲き誇り、桃源郷を思わせる風景を楽しむことができます。

大野市の中心地から車で20分程度ですし、国道から近いため、交通アクセスは良好です。

1年を通して開放されており、利用するときに管理者への申し込みが必要ないため、いつでも気軽に利用できるという点でも魅力的です。

ただし、水場はあるものの、飲料水としての利用ができないことや、トイレが老朽化していること、宿泊地として整備されていないことなど、キャンプ場としてみるとマイナス点も多い場所です。

ただ、その点さえ割り切ってしまえば、穴場的なスポットとして、とってもいい場所だと思います。

俗にいう、「あまり他人に教えたくない、ひっそりとキャンプを楽しめる穴場」的な感じなんですよね~

一般的に言えば、家族で川遊びでバーベキュー楽しむなどのデイキャンプ、旅の途中での車中泊向けのキャンプ場だと思いました。

名前 勝原園地
かな かどはらえんち
住所 福井県大野市西勝原地内
連絡先 大野市商工観光振興課(電話番号:0779-66-1111)
管理者 大野市
営業期間 1年を通して利用可。

事前予約、申し込み不要。

料金 無料
ジャンル 芝生フリーサイト
施設 テントサイト、水場、トイレ、駐車場など
備考 ゴミ持ち帰り、水は飲料不可、直火禁止、ダム放流注意



周辺施設の紹介

勝原園地の近くにはいくつかの入浴施設があります。

九頭竜温泉 平成の湯

勝原園地から国道158号線を東に向かって約10.8km、車で15分のところに「九頭竜温泉 平成の湯」があります。

日本百名山の一つ「荒島岳(あらしまだけ:標高1,523m)」を望む、絶好のロケーションです。

荒島岳は、別名大野富士(おおのふじ)とも読場rふぇ、石川県にある霊峰白山と同じく、奈良時代の僧である泰澄(たいちょう)開山したと伝えられています。

山頂には荒島神社があり、信仰の山とされてきました。

平成の湯は、ホテル「フレアール和泉(いずみ)」さんに隣接する日帰り温泉施設で、 開放感溢れるガラス張りの内風呂、荒島岳の勇壮な山並みを眺めながらゆったりできる露天風呂のほか、サウナもあります。

泉質は、全国でも数少ないアルカリ性単純温泉で、効能は疲労回復や神経痛、冷え性をはじめ、五十肩、関節痛、うちみなどにも効くようです。

この泉質の温泉は、福島県福島市にある茂庭広瀬公園キャンプ場の近くの「もにわの湯」さんや、同じ福島県の郡山市にある磐梯熱海温泉、山形県最上町にあるおらだの川キャンプ場近くの温泉、健康福祉プラザ「もがみ」さんと簡易宿泊施設おらだずの宿「りんどう」さんですね~

営業時間は、午前10時~午後9時まで(最終受付午後8時)で、毎週火曜日と1月1日が休館日(祝日の時は翌日)です。

利用料金は、中学生以上が600円、 4歳以上が300円、 65歳以上の大野市民は500円とリーズナブル。

風呂上りに無料で利用できる畳の休憩所もあります。

普通車が30台くらい止められる駐車場も完備してるし、国道沿いのため、アクセスもいい。

勝原園地に行ったときには、ぜひ立ち寄りたい温泉施設ですね~

大野市内の入浴施設

勝原園地から車で約20分の大野市内には、福井県公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟する銭湯が4店あります。

いずれも外観は、昔ながらの「銭湯」のたたずまいです。

中でも亀山湯(かめやまゆ)さんは、創業がなんと明治35年。日露戦争よりも昔なんですね~

亀山湯さんは、大野市で一番古い銭湯で、昭和のはじめに一度建て替えられたんですが、現在の建物も、当時の面影が感じられるほど、味わい深いんです。

大野市の地下水を利用した「気泡風呂」はマッサージ効果が高く、県外からの鮎釣り客や大野市主催のマラソンに出場したランナーなどが多く訪れるそうです。

そのほか、昔ながらの木のロッカーやタイル張りの浴室が情緒たっぷりの東湯(あずまゆ)さん、6種類の薬草をブレンドした薬湯やジェットバスがある日の出湯(ひのでゆ)さん、高い天井の広々とした浴室、超音波風呂やバイブロ(気泡)湯が自慢のキューピー湯さんがあります。

営業時間は、どこの銭湯もだいたい午後3時から午後10時~11時まで。

料金は、大人(中学生)が430円、小学生が150円、未就学児は60円です。

なお、営業時間や料金、定休日はそれぞれ銭湯によって変わってきますので、お店に問い合わせて確認してくださいね~

ホント、それぞれの銭湯をその目で見てもらえばわかるんですが、歴史ある大野市にふさわしく、めちゃくちゃ雰囲気あるんですよ。

たしかに、勝原園地は、ちょ~っとばかり利用するにはハードルの高いキャンプ場かもしれません。

だけど、大野市は名水百選にも選ばれた「御清水」をはじめ、きれいな水と豊かな大地に恵まれた土地で、400年以上前から続く「七間朝市」や京都を思わせる短冊状のまち並み、「天空の城」と形容される越前大野城など、観光都市としての魅力がタップリ

ボクは、今回は旅の途中でちょっと立ち寄っただけだったんですが、次は、ゆっくりと腰を据えて観光したいなあって思ったまちでしたね~

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