【更新情報】2019年7月
今回紹介する小鎌田の浜(こかまだのはま)は、高知県の中土佐町(なかとさちょう)にある無料でキャンプ可能な浜辺です。
管理は中土佐町がしており、利用にあたっては、事前の予約や申し込みが一切不要。
一年を通して開放されており、いつでもだれでも自由に利用できます。
小鎌田の浜は、土佐十景の1つ双名島(ふたなじま)を臨む、のどかな雰囲気の浜辺で、夏の時期は海水浴場にもなり、多くの家族客でにぎわいます。
宿泊可能なキャンプ場ではありますが、海水浴がメインのデイキャンプやバーベキューに向けの場所なので、一般的なキャンプ場のようにしっかり整えられたテントサイトや調理ができる炊事場はありません。
ただし、小鎌田の浜は、中土佐町の中心市街地から車でわずか3分の距離にあり、周辺にはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、入浴施設があり、立地はめっちゃいいんですよね~
利用するときの申し込みすら必要ないので、「ふらっと立ち寄って、気に入ったらキャンプする」くらいのゆる~い感じがいいかも。
駐車場とテントサイトの区割りもない、ホントにただの浜辺なんで、キャンピングカーを横づけしてのキャンプとか、車中泊にも向いていると思います。
人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。
なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。
この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~
小鎌田の浜までのルート
小鎌田の浜のある中土佐町は、2006年(平成18年)、中土佐町と大野見村が合併してできた人口約8700人の町です。
高知県の中西部に位置し、太平洋に面した海岸部(旧中土佐町地域)と山々に囲まれた海抜300m以上の台地部(旧大野見村地域) 二分されます。
旧中土佐町地域は、山が連なり、その尾根の先端が土佐湾に突き出して岬となり、壁状の海岸線を形成しています。
山から流れる河川が土佐湾に注ぎ込んでおり、河口域は漁港として栄え、河川流域には平野が散在して耕地となっています。
旧大野見村地域は、四万十川上流域に開けた土地で、蛇行して流れる四万十川がこの地域を東西に分け、その両岸に耕地が開け、ヒトの住む集落が点在しています。
こうした地理の異なる地域からなる中土佐町は、四万十川や緑豊かな山野、土佐湾など変化に富んだ自然環境に恵まれた町なんですね~
とくに久礼地区は「鰹(カツオ)の一本釣りの町」としても有名で、400年以上前から鰹とともに生きてきた町です。
中土佐町が全国的に有名になったきっかけは、昭和53年から青年誌「ビックコミック」で漫画家の青柳裕介先生の「土佐の一本釣り」が連載されたこと。
作品の中で久礼の町に実在する旅館や飲食店、人々などが登場したで、久礼の名前が全国に広まったみたいですよ~
そして、2011年(平成23年)2月、この町並みが、漁師町として全国初の国の重要文化的景観に選定されました。
小鎌田の浜は、そんな中土佐町の中心市街地(旧中土佐町地域)から東方向に距離約1.3km、車でたったの3分くらい。
最寄りの高知自動車道「中土佐」ICからだと、距離約2.4km、車で約5分。
高知市からでも高速道路を使えば、車で45分程度しかかかりません。
車で片道5分程度の範囲内にスーパーマーケットやコンビニエンスストア、入浴施設がそろってますから、それほど大きくない町の無料キャンプ場ということを考えれば、はっきり言って、めちゃくちゃ立地がいいんですよ。
高速道路のインターチェンジからも近く、メイン国道の国道56号線が町内を走ってますから、交通のアクセスもすっごくいい。
高知県の南側を走っていて「ちょっと海辺で一泊しようかなあ」って、ふらっと立ち寄ってもいいし、鰹の町を見て回り、その気候風土に触れたくなって、キャンプするって感じでもいいですね~
小鎌田の浜を紹介するよ
小鎌田の浜は、土佐10景の1つ、双名島が目の前に広がるのどかな浜辺です。
双名島は、向かって左の観音島(かんのんじま)と右側の弁天島(べんてんじま)からなり、島と島の間には烏帽子岩(えぼしいわ)という小さな岩が海から突き出ています。
言い伝えでは、昔むかし、鬼ヶ島の鬼が久礼の港口が荒れると聞いて、鬼ヶ島の門の岩を2つ運んできて、湾の入口に置いたそうです。
しかし、鬼は疲れてしまい、そのまま海に倒れてしまいました。
いっしょについてきた小鬼は、親の鬼が海に沈んでしまった姿を見て、泣きながらいつまでもその場を離れようとせず、何年もの時を経て、岩になってしまったんだそうです。
高知市出身の大正時代の詩人「大町桂月(おおまち けいげつ)」は「人ならば うれしからまし 双名島 二つならびて 萬代までも」と詠んでおります。
現在は、観音島には観音様、弁天島には弁天様が祀られており、漁師さんたちはこの島に海に出るときの安全などを祈願するんだって。
なお、双名島は防波堤を通って陸続きになっており、歩いて渡ることができます。
ちなみに、土佐十景とは、大正15年2月に現在の高知新聞の前身である土陽新聞が、県民の投票によって選定した高知県内の景勝地のことです。
土佐十景とは?
種崎千松公園(たねざきせんしょうこうえん)高知市:クロマツ林の景勝地。桂浜の向かいにあり、高知県唯一の海水浴場と隣接。無料のキャンプ場もあります。
甲殿住吉神社(こうどのすみよしじんじゃ)高知市:高知市春野町を流れる仁淀川水系の支流高殿川の河口付近にある住吉三神を祀る神社。かつて神社の周辺にはお菱岩、蝙蝠岩、お亀岩、烏帽子岩、鳩岩、お舟岩などの巨岩、奇岩があったそうです。戦後、基礎石用に切売りされてしまい、現在はお菱岩だけしか残っていません。
手結(てい)香南市:海岸の岩礁地帯の入江を掘削して造られた港。1653年に土佐藩家老「野中兼山」が完成させた、日本最初の本格的な掘込港湾と言われています。
双名島(ふたなじま)中土佐町:鬼ヶ島の鬼が人々のために運んだ伝説の島
四万十川(しまんとがわ)四万十市:本流に大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」と呼ばれています。柿田川(静岡県)、長良川(岐阜県)とともに日本三大清流の一つとも言われています。
小室の浜(おむろのはま)四万十町:興津岬の西側海岸の小室の浜にある松林。東西約2kmにおよぶ美しい白砂青松の渚。水質良好の海水浴場もあり、高知県で唯一「日本の水浴場88選」に認定されています。
横浪三里(よこなみさんり)土佐市~須崎市:土佐市と須崎市にまたがる湾。正式名称は浦ノ内湾と言い、湾口から湾奥までが3里(12km)あるのでこう呼ばれます。横浪半島によって太平洋と隔てられたリアス式内湾で静かな美しさを見せる景勝地。
吉祥寺(きっしょうじ)香美市?香南市?:旧土佐山田町(現香美市)にあったとも、旧野市町(現香南市)にあったとも言われる寺。吉祥寺は旧両町の境界付近の山にあり、素晴らしい景色が広がっていたと言われています。
轟の滝(とどろきのたき)香美市:県指定名勝であり、日本の滝百選に選定されている香美市のシンボルとも言うべき滝。日比原川流域にあり、落差83メートルを3段に分かれて落下します。香美市には、高知県で唯一の森林公園である甫喜ヶ峰森林公園があり、無料のキャンプ場が設けられています。
大国山(おおくにやま)いの町:地元では「いの大国さま」と呼ばれる椙本神社の北にある山。同神社で春に行われる大国祭は、中土佐町の秋季例大祭である久礼八幡宮大祭、仁淀川町で毎年2月11日に行われる秋葉祭りとともに、土佐の三大祭りと呼ばれます。
小鎌田の浜までの道順について
小鎌田の浜は、県道320号線を東進し、久礼川を渡ってトンネルを抜け、中土佐地区人権啓発センターの道路向かいにあります。
写真の右側が、小鎌田の浜です。
左側にトイレと芝生広場があります。
小鎌田の浜へ降りるには、「かつお藁焼きたたき伝承館 陣や」さんからUターンするように右折します。
浜に下りる道は、車1台分くらいのちょっと細い道です。
ここが、小鎌田の浜です。
浜辺の砂浜より盛土されて一段高くなった一帯が、テントサイト兼駐車場と言った感じ。
県道320号線に沿う道は舗装されていますし、サイトは砂地ではないので、バイクや二輪駆動車でも問題なく通行できます。
テントサイトについて
テントサイトと言っても、区画なしのフリーサイトで、車両の乗り入れも自由。
オートサイト並にキャンピングカーを横付けして、テントを張ることもできます。
木陰のある場所もありますが、基本的には見晴らしの良い、小石交じりの裸地です。
ボクが行ったときは、北側の部分が芝でおおわれていました。
地面はわりと平坦で、ガッチリ踏み固められており、ペグの効きはあまり良くなさそうでしたね~
砂浜ではないため、水はけもあまりよくありません。
駐車場との区別もないくらいのとってもワイルドなテントサイトです。
ロケーションは、めっちゃいいですよ~
海面と大気の温度差が大きい11月から3月の晴れた日には、双名島の間から昇る「だるま朝日」が見られます。
これは、 光の屈折によって、水平線から昇る朝日と海に映る太陽の鏡像がつながって見える現象で、多くのカメラファンが詰めかけるそうです。
利用するときのルールの記載はありませんでしたが、海岸での密漁は当然禁止。
一般的な無料キャンプ場のマナーとして、ゴミは持ち帰りです。
また、このキャンプ地の携帯電話の電波は良好で、ドコモ4Gのアンテナマックスでした。
県道には街路灯はありますが、テントサイト内に照明はありませんので、夜間は真っ暗になります。
照明器具はお忘れなく。
水場について
小鎌田の浜には調理向きの施設はなく、水道があるのみです。
ちょうど人権啓発センターの道路向かいあたりに県道320号線の下を通るトンネルがあります。
その出入口わきに公園にあるような立水栓が設置されています。
水飲水栓と通常の蛇口がついていて、上水道のためそのまま飲むことができます。
水場は、平面な部分がありますが、調理には向かないと思います。
トンネル出入口付近にも蛇口が取り付けられていました。
清掃用でしょうか。
電源ボックスには「使用禁止」と書かれてましたね~
ここから電気を盗用する方がいたんでしょうね。
マジ、犯罪です。絶対にやめましょう。
なお、このトンネルは荒天時の緊急避難先として使えますが、出入口付近には水が溜まってしまうので、道路の真下、トンネル中央付近まで進みましょう。
トイレについて
トイレは2か所。
1か所目は、「かつお藁焼きたたき伝承館 陣や」さんから浜辺に下りる途中の左側です。
身障者・男女兼用のトイレで、かなりしっかりした建物です。
水洗洋式で、ウォシュレットが完備!
掃除も行き届いていて、清潔でした。
ただ、ボクが行った7月上旬は電源がオフになってましたね~
海水浴シーズンになると稼働するのかな。
トイレのとなりには、パーゴラ(つる性の植物をからませる木材などで組んだ棚)屋根の休憩所がありました。
通常はあまり利用されていないらしく、草が伸び放題でしたが、屋根の一部はアクリル板で完全におおわれているので、この場所も荒天時の避難先になると思います。
道路から道続きなので、バイクごと避難できますよ~
もう1か所のトイレは、人権啓発センターの南側の公園風の敷地内にあります。
浜辺からは、先ほど紹介したトンネルを通って行けば、すぐです。
トンネルは、大きな段差があり、ヒトのみしか通行できません。
電灯はついているんですが、壁に落書きとかあって、夜はちょっと怖いかも(笑)
公衆トイレ風の外観。男女別。
鉄筋コンクリートで、ちょっと古めかしい。
こちらが男性用。水洗式小便器が2つ。
床は今どき珍しい、地面に直接コンクリート打った土間打ちですね~
大便用は、水洗和式が1つです。
ちゃんとトイレットペーパーも備え付けてあるし、見た目は老朽化が進んでますが、汚くはありませんよ~
トイレのとなりにある建物は、シャワー兼ロッカールームです。
ロッカールームは、男女別に分かれており、中は思っていたよりずっと広い!
着替え用の更衣ロッカーとベンチシートが備え付けられています。
壁と床はコンクリート打ちっぱなしの簡素なつくりですが、屋内用の電灯もあるし、常時解放されているので、ここも悪天候のときの緊急避難先に使えますね~
男性用と女性用のロッカールームの間に共用のシャワーが3つ、水道の蛇口が1つあります。
冷水のみですが、夏場は常時使用可能です。
トイレと県道の間は、ちょっとした芝生の広場になっており、藤棚の下には木製のテーブルとベンチが設置されています。
また、トイレの北側にはアスファルト舗装された駐車場があり、浜辺が車でいっぱいのときは、こちらに車を止めることができますよ~
小鎌田の浜データ
小鎌田の浜は、土佐十景の1つ双名島(ふたなじま)を臨む、浜辺を利用した無料のキャンプ場です。
利用にあたっての予約や申し込みなどがまったくいらないし、1年を通して開放してるので、気軽に利用できるのがいいですね。
車両を浜辺に乗り入れてキャンプができるので、キャンピングカーや車中泊の方の利用にも向いていると思います。
まちの中心地からも近くて、コンビニエンスストアなどの商業施設まで片道10分もかからないという、利便性もめっちゃ高いのも魅力です。
水場やテントサイトは最低限の設備しかありませんが、きちんと管理はされており、無料のキャンプ場としては十分でしょう。
火気の使用や車両の乗り入れなど、細かなルールは示されておらず、利用者のマナーに任されているところが大きいので、逆に、管理者や地元の方に迷惑をかけないよう利用したいですね~
名前 | 小鎌田の浜 |
かな | こかまだのはま |
住所 | 高知県高岡郡中土佐町久礼 |
連絡先 | 中土佐町役場水産商工課(電話番号:0889-52-2473) |
管理者 | 中土佐町 |
営業期間 | 通年。予約、申し込みは不要
シャワーは夏季のみ |
料金 | 無料 |
ジャンル | フリーサイト |
施設 | テントサイト、水道施設、トイレ、駐車場など |
備考 | ゴミ持ち帰り |
周辺施設の紹介
小鎌田の浜は、景色良し、交通アクセス良しの利便性の高いキャンプ場です。
久礼湾を挟んだ向こう岸に、日帰り入浴のできる湯宿「黒潮本陣(くろしおほんじん)」さんがあります。
小鎌田の浜から距離にして約2.5km、車でたったの5分。
めちゃくちゃ近い!すっげぇ便利でしょ。
名物は太平洋の黒潮を沸かした露天風呂で、眼前には雄大な海原が広がり、日の出や満天の星を眺めながらゆったりとお湯につかることができます。
また、館内には白御影石風呂と錆石風呂という2つの大浴場があり、土佐十景の一つ「双名島」が望めます。
お風呂は、男湯と女湯を一日ごとに交替しており、大浴場内にはサウナも設置してあります。
営業時間は、日帰り入浴の場合は、10:30~16:00と18:30~20:00までの2部制。
定休日は、毎月第2木曜日(祝日の場合は変更)で、定休日以外の木曜日の営業時間は18:30~20:00までのみとなります。
料金は、大人600円、子供300円と、めっちゃリーズナブル。
中土佐町の豊かな自然と広大な海原の開放感を満喫できる、おススメの入浴施設です。