こんにちは。motocampers.net(モトキャンパーズ)管理人の晴れろGO!こと、ハレロゴです。
2019年3月初旬、宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰(ざおうれんぽう)に登って樹氷(じゅひょう)を見てきました。
今年は、山形県上山市にある蔵王ライザワールドスキー場からスキーリフトを使って登ったんですが、リフト終点あたりの樹氷はだいぶ溶けちゃってて、最盛期と比べるとかなり細くなっていました。
でも、山全体は氷漬けのままで、もう少し楽しめそうでしたよ。
下山後は、山形県南陽市の赤湯温泉(あかゆおんせん)に立ち寄り、冷えた体を温めました。
いや~冬山ハイク後の温泉はサイコーですね~
それでは、今回は2019年3月初旬の蔵王の樹氷の様子と下山後に立ち寄った赤湯温泉を紹介しますね。
蔵王ってどんな山?
2018年6月に山形県上山市から宮城県蔵王町までキャンプツーリングしたときに登った山が蔵王なんですが、あらためて紹介しましょう。
蔵王は、じつは蔵王という名前の山があるわけじゃないんです。
宮城県と山形県の県境にある山並みのことを蔵王連峰と言い、一般的に蔵王と呼ばれています。
宮城県側には刈田岳(かっただけ)標高1,758m、山形県側には熊野岳(くまのだけ)標高1,841m、地蔵山(じぞうさん)標高1736mがあり、熊野岳が蔵王連峰の最高峰です。
宮城県側を宮城蔵王、山形県側を山形蔵王なんて呼んだりもしてますね~
蔵王は、登山道が整備されており、交通の便も悪くないため、一年を通して登山客が訪れる山なんですが、とくに冬は樹氷ツアーなどで多くの観光客でにぎわいます。
ところで、樹氷ってなに?
樹氷(じゅひょう)というのは、着氷現象のひとつで、氷点下の環境で樹木に付着して発達する、白色や半透明な氷の層のこと。
氷層が白色で脆いものが樹氷。
半透明なものが粗氷(そひょう)。
針状のものが樹霜(じゅそう)と呼ばれます。
この3つを総称して霧氷(むひょう)と言います。
ちなみに、同じ着氷現象のうち、雨や霧によってできる、ほぼ透明な氷ことは雨氷(うひょう)と呼びます。
なぜこのような現象が起こるのかというと、水が固まる気温0度以下の環境にあって、空気中にある本来なら凍っているべき水滴(過冷却水滴)や水蒸気が凍らずにいて、それが何らかの物体に衝突したときに凍るからなんですね~。
最初から凍っている雪や氷が積もるんじゃないんですよ。
水滴が木にぶつかった瞬間に凍ってくっつくんです。
だから、樹氷は、雪が積もった木とはまったくの別モンです。
蔵王の樹氷は、冬にシベリアから吹いてくる北西の季節風と、日本海対馬暖流の水蒸気が合わさった雪雲によって作られます。
蔵王の1月、2月は、ほぼ毎日気温マイナス10~15度、風速10〜15m/sの風が吹いており、こうした中で、蔵王に生育する針葉樹のアオモリトドマツに着氷して、樹氷が育っていくんですね~
蔵王の樹氷の最盛期はおおむね1月下旬から2月中旬頃までなんですが、この時期は、「いつ行っても吹雪が吹き荒れてんじゃねーか」ってくらい悪天候の日ばかりなので、手軽に樹氷を楽しむのはちょっと難しいんです。
そんなわけで、ボクは毎年天候が落ち着いた3月に樹氷を見に行くことにしています。
蔵王の樹氷を見に行くにはどうしたらいい?
蔵王の樹氷を見たいのでしたら、大きく分けてふたつのルートがあります。
ひとつは、山形市蔵王温泉から蔵王ロープウェイ(往復2,800円)で行く方法。
こちらは、いわゆる山形県側の地蔵山を目指すルートなんですが、雪や風がまったく当たらないロープウェイで行くため、服装は冬用の街着にスノーブーツ程度でOK。
そのため、多くの外国人観光客(台湾人が多いかな)でにぎわっています。
あ、もちろん、ロープウェイで行けるのは、地蔵山山頂より少し下にある樹氷ゾーン(標高1661m)までです。
山頂(標高1736m)に行くためには、15分~30分くらいは歩きますので、ちょっとだけ登山に振った装備が必要ですからね~

2018年3月に蔵王ロープウェイで地蔵山に登った時の写真
もうひとつは、今回ボクが使った山形県上山市蔵王坊平高原にある蔵王ライザワールドスキー場から宮城県側の刈田岳を目指すルートです。
こちらのルートの場合、スキー場のリフト2本を使って樹氷原のすぐ近くまで行くか、あるいはスキー場のゲレンデを歩いて登ることができます。
みなさん、いろいろな方法で樹氷のところまで行ってますね。
スキーやスノボを持ってリフトで登り、滑って降りてくる方、最初から最後まで自分の足で登り下りする方。
ボクは、徒歩で登り下りしたことがありますが、めっちゃキツかったスよ。
なにせ、登りはじめはスキー場のゲレンデですからね。
上の方に行けば行くほど斜度がすごいんですよ。ツルツルに滑るし。
ホント、スキー場を登るのは大変だったなあ。
まあ、その分、「登ったー!」って感動でいっぱいになれますけどね(笑)
あ、そうそう、蔵王ライザワールドスキー場へ車で行く際の注意点をひとつ。
宮城県蔵王町側からは、11月初旬から翌年4月下旬の間は、蔵王エコーラインという蔵王連峰を東西に横断する宮城県と山形県をつなぐ山岳道路が冬季閉鎖で通り抜けできないため、行くことができません。
山形県上山市側から県道12号線を北上するルートでしかたどり着けないので、気をつけてくださいね。
どんな服装で行けばいいの?
ボクは、専門家でもないし、登山経験が豊富な山男でもありません。
単なるエンジョイ勢のひとりが、天候の良い蔵王で樹氷を見学する雪山ハイクという前提での装備ですから、ガチな解説は期待しないでください(笑)
蔵王はルートが整備されていて登りやすいとはいえ、冬山です。
3月初旬でも天候によっては気温マイナス10度くらいになることもあるし、風速10mを超えることも当たり前にあります。
防寒・防風対策はしっかりしないと、マジ、ヤバいですよ。
冷えは手足の先から来ますから、保温性や防水性に優れた靴下やグローブが重要だと思います。
靴については、ゴアテックスの3シーズン登山靴で大丈夫でした。
滑り止めに関してですが、3月初旬はかなり雪が踏み固められているので、スノーシューよりアイゼンやチェーンスパイクのほうが歩きやすかったです。
ぶっちゃけ、登りは滑り止めなしでもけっこうなところまで行けるんですよ。
ただ、下りはリフトが使えませんので、ガチガチに固まったゲレンデを滑り止めなしで降りるのは、けっこう大変です。
簡易なモノでもいいので、チェーンスパイクくらいは用意した方がいいでしょう。
今回のクロージングはこんな感じ。
上衣は、アンダーにジオラインL.W、ミドルにパタゴニアのR1とナノパフ、アウターにモンベルのストームクルーザー。
下衣は、ワコールのスポーツタイツCW-Xにモンベルの中厚手のパンツ、防水靴下という組み合わせ。
悪天候を想定して、バラクラバも用意しました。
グローブは、写っていませんが、スポーツ用品店で買ったスキー・スノボ用にしました。
今回唯一失敗したなあって思ったのが、このグローブです。
天候は悪くありませんでしたが、風が強かったので、ちょっと指先が冷たく感じることがあったんですよね~
素直にモンベルのOutDryアルパイントリガーフィンガーミトンにしておけばよかった。
せっかく持っているのに、めったに使わないんで、存在を忘れてましたよ(笑)
やっぱり、冬山はスキー用品の流用ではなくて、専用品にしたほうがいいですよ、マジで。
写真に写っていないゴーグルとかストックとか、ほかにこまごましたモノもあるにはあるけど、だいたいギア(装備品)はこんな感じ。
MSRのスノーシューとモンベルのチェーンスパイク、日焼け止めは使ったけど、あとはあまり使わなかったモノばかり(笑)
ぜんぶ、何かあったときのお守り代わりに持っていっただけです。
ハクキンカイロも必要なかったなあ。
最初に書いたとおり、3月初旬の蔵王は雪が踏み固められているので、足が沈み込む場所も少なく歩きやすいです。
刈田岳、熊野岳と歩きましたが、チェーンスパイクだけでもぜんぜん大丈夫でした。
ちなみに、クロージングやギアのリンク先は、ボクのレビュー記事です。
どれも数年にわたって、ちゃんと使ったうえでの感想を書いたので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。