【更新情報】2019年7月
今回紹介する海谷三峡(うみだにさんきょう)パークキャンプ場は、新潟県糸魚川市(いといがわし)にある無料のキャンプ場です。
管理は糸魚川市で、現地に管理事務所が置かれています。
日中時間帯は管理人さんが常駐しているので、利用するときは現地で申込書を提出してください。
管理人さんが不在時の連絡や事前の問い合わせは、糸魚川市西海地区公民館(TEL025-552-0268)までお願いします。
海谷山峡パークは、糸魚川市を代表する景勝地「海谷渓谷」の入り口にあるキャンプ場で、頸城駒ヶ岳(くびきこまがたけ:標高1,487m)の登山口にもなっており、シーズン中はキャンパーだけでなく登山客も多く訪れます。
また、場内には展望台があり、目の前には千丈ケ岳(標高1099m)の絶壁や日本海が広がり、絶景の一言です。
いや、ホント、こんなにスゴイ景色を眺めながらキャンプができる場所なんてそうそうないんじゃなかってくらい。
紅葉の時期なんて、言葉にもならないくらい美しい景色が見られるんじゃないかなあ。
キャンプ場内には川が流れていたり、四季折々の花が咲いていたりして、まさにパーク(公園)の名にふさわしいキャンプ場なんですよ。
しかも、炊事場やトイレなどの設備はバッチリ整っているし、ソロキャンパーから小さなお子さん連れのファミリーキャンプまで、幅広い方におススメできますよ、ここ。
人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。
なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。
この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~
海谷山峡パークキャンプ場までのルート
海谷山峡パークがあるのは、新潟県の最西端に位置する糸魚川市。
ヒスイで有名な市です。
じつは、日本の海岸でヒスイの原石が見つかるのは、糸魚川市大和川地区の海岸から富山県の朝日町の海岸あたりまでのごく限られた場所だけ。
世界的に見てもと~っても珍しいんです。
で、糸魚川市はヒスイ産出地なんですが、世界最古のヒスイ文化発祥の地でもあります。
今から約5000年前の縄文時代中期に糸魚川では、すでに縄文人がヒスイの加工をはじめていたらしく、世界最古のヒスイと人間の関わりと言われています。
弥生時代あたりは、ヒスイはすっごくめずらしいモノとして珍重されましたが、奈良時代以降は全く利用されなくなってしまいました。
それで、いつの間にやら糸魚川でヒスイが採れることが忘れ去られちゃって、遺跡から出るヒスイは大陸から持ち込まれたものなんじゃないかって、昭和の初めころまで考えられていました。
その後、昭和13年になって糸魚川でヒスイが採れることが再発見され、そこからさらに戦争を経て、2016年(平成28年)9月24日、ヒスイは地質学的に見ても「日本ならではの石」ということで、日本鉱物科学会が国石に選定しました。
さて、海谷山峡パークは、糸魚川市の中心地からは南に約18.7km、車で40分くらい。
最寄りの北陸自動車道「糸魚川」ICからもだいたい同じくらいですね。
街の中心からはそこそこ離れていますし、けっこうな山の中にポツーンとあります。
付近にはスーパーマーケットもコンビニエンスストアもガソリンスタンドもないので、前もって準備万端にしてから向かってくださいね~
海谷山峡パークキャンプ場を紹介するよ
海谷山峡パークは、その絶景が訪れる人を魅了する 「海谷渓谷(うみだにけいこく)」への玄関口にあるキャンプ場です。
海谷渓谷は、すっごい規模の地すべりで海川(うみかわ)がせき止められ、土砂で埋め立てられてできました。
幅の広い河原が特徴で、その風景とでき方が長野県西部の飛騨山脈南部にある景勝地、「上高地(かみこうち)」にそっくりなんで、「越後の上高地」なんて呼ばれたりもしてます。
頸城駒ヶ岳や千丈ヶ岳の断崖が屏風にも似た絶壁を作り、春から夏にかけては新緑が美しく、秋には澄み渡る青空に紅葉の彩りが息をのむほどの美しさを見せる場所です。
海谷山峡パークキャンプ場までの道順について
海谷三峡パークキャンプ場へは、国道148号を南下したあと、県道221号線を通るルートと、糸魚川市内からまっすぐ県道221号線を南下するルートの2通りあります。
いずれにせよ、海谷山峡パークの案内板がある雲台寺(うんだいじ:奈良時代末期の建立とされる天台宗の寺)交差点をで合流し、そこから4kmほど東進します。
県道221号線は、舗装状態は悪くありませんが、普通自動車なら1台が通れるくらいの幅しかない場所もあり、曲がりくねっているので、運転には気をつけてください。
キャンプ場入口直近にある湧水。
すっごく冷たくてそのまま飲みたい・・・ところですが、上水道水ではありませんので、煮沸してから飲むことをおススメします。
道なりにまっすぐ進んだ行き止まりが、海谷山峡パークキャンプ場です。
向かって左手に駐車場と管理棟、奥がテントサイト。
右手に展望台があります。
正面に炊事場とトイレがありますが、バイクも含め、車両は進入禁止です。
駐車場はアスファルト舗装され、平坦で荷物を積んだ大型バイクでも止めやすそうですね~
普通車30台くらいが駐車可能です。
駐車場とキャンプ場が近いので、とっても便利だと思います。
管理棟について
駐車場とテントサイトの間にある管理棟。
キャンプ場の利用届のほか、登山届の受付もここでOK。
飲み物も売っています。
これが海谷山峡パークの全体図です。
キャンプ場はそれほど大きくはなく、コンパクトにまとまってるなあって感じ。
だけど、海谷渓谷全体でみると、とんでもなくでかい!
っていうか、自然の中にとけこんだみたいなキャンプ場感がすごいんですよね、ここ。
テントサイトについて
管理棟とテントサイトの間には小川が流れています。
その川にかかった橋を渡った先がテントサイトです。
このキャンプ場には大きく分けて2つのテントサイトがあり、すべて土と芝のフリーサイトになっています。
こちらが管理棟正面にあるテントサイト。
ところどころに木製のベンチ・テーブルが置かれています。
駐車場のすぐ近くなので、荷物の搬送には苦労しないと思います。
ファイヤーサークルもあるんですね~
サイトはほぼ平坦ですが、草がちょっと伸びていました。
小川が流れているんですけど、虫はいませんでしたね。
キャンプ場内には電灯があり、夜でも真っ暗にはなりません。
テントサイト内に東屋のような屋根付きの建物はありませんから、急な雨や落雷などには気をつけてくださいね。
管理棟近くのテントサイトから西側に向かって歩いて行くと、2つ目のテントサイトがあります。
ここが西側にあるテントサイト。
かなり草木が伸びていました。
駐車場や炊事場、トイレからも遠いし、おそらくここはほとんど利用されていないんでしょう。
あやめがキレイに咲いていました。
周囲の山々からはキツツキやカッコウの鳴き声が聞こえてきて、なんとも言えないのどかさがありました。
まさにパーク(公園)の名前にふさわしい雰囲気。
ところで、こういう山の中に来ると、スマホの電波が通じるのかって、けっこう不安になっちゃいますよね。
その点、海谷山峡パークは安心できます。
山の中ではありますが、スマホの電波は、ドコモ4Gでアンテナ2本くらいで電話が通じます。
利用についての注意事項は、ゴミは持ち帰り、焚火は直火厳禁です。
炊事場について
炊事場とトイレは、駐車場から歩道を登った小高い丘の上にあります。
炊事場は屋根・照明付きで、とんがり屋根の2階建て風の造り。
地元の小学生によって描かれた木とたくさんの鳥の絵が、このキャンプ場を上手に表していますね~
炊事場は、中央に水道、左右にかまどが設置されています。
また、炊事場のまわりには木製のテーブルやベンチがあり、周囲のすばらしい景色を見ながら食事ができちゃいます。
水道はコンクリート製でステンレスのシンク、片面に蛇口が5つあります。
うち一つは、少し背が低くなっていて、お子さんでも利用しやすい作り。
水はそのまま飲むことができます。
かまどは、コンクリート製のモノが片側5つ。
火床もあり、きっちり整備されていて壊れがまったくありません。
炊事場利用の注意書き。
炊事場には灰を捨てるための缶が置かれています。
灰捨て用の缶があるって、無料キャンプ場じゃめずらしい。
燃えカスをその辺に捨てられて火事になるくらいなら、きっちり回収しようってことでしょうね。
ホント、ありがたいことです。
ちなみに、これだけキレイで整備された炊事場があると、どうしてもこの場所にテントを張りたくなってしまいます。
気持ちはよ~くわかるんですが、残念ながら炊事場周辺にテントを張ることは禁止されています。
ルールとマナーを守って、利用しましょうね~
トイレについて
炊事場のとなりにトイレがあります。
屋根付き、これまたすっげぇ立派なつくり。
男女、身障者用に分かれています。
男性用小便器は水洗式が二つ。
バリアフリータイプもあり。
見ての通り、すっごくキレイに掃除されています。
大便用は水洗和式が一つ。
トイレットペーパーもちゃんと備え付けてあって、ゴミ一つ落ちていないくらいきっちり掃除されていました。
電灯もちゃんとつくので、夜でも安心して利用できます。
こちらは身障者用。
トイレはすべてしっかり掃除されてる感じ。
いわゆるトイレのいやな臭いはまったくなく清潔で、気持ちよく利用できますよ~
展望台について
海谷山峡パークキャンプ場のすぐ東手には展望台があります。
目の前に迫る大迫力の岸壁は、通称「千丈の大岩壁」。
高さはなんと600mにも及びます。
この岩壁は今から300万年以上前の新生代新第三紀鮮新世にフォッサマグナの海底で活動した火山から噴出した溶岩などでできてます。
岩肌をよ~くみてみると、岩が層状になっているのがわかりますよね。
じつはこの場所、1983年(昭和58年)4月29日封切の「(ならやまぶしこう)」のロケ地でもあります。
楢山節考は、深沢七郎さんの短編小説を映画化したモノで、いわゆる姥捨山のお話です。
この映画のクライマックスシーンである姥捨ての場面をここ海谷で撮影しました。
なお、この映画は、1983年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドール(最高賞)を受賞しています。
海谷山峡パークキャンプ場データ
海谷山峡パークキャンプ場は、周囲を千丈ヶ岳や、鉢山、阿弥陀山、駒ケ岳などの山々に囲まれた海谷渓谷の入り口にあるキャンプ場です。
海谷渓谷一帯は、今から約350万年前にフォッサマグナの海で起きた海底火山の活動によってできたもので、「千丈の大岩壁」と呼ばれる高さは600mの岸壁を目前で見られるほか、初夏の新緑、盛夏の深緑、秋の紅葉と季節ごとに姿を変える美しい渓谷が訪れる者の目を楽しませてくれます。
また、6月上旬には駒ヶ岳の山開きや春の海谷祭り、10月下旬には秋の海谷祭りが開催されるなど、地元の方にも昔から親しまれている場所です。
炊事場やトイレなどの施設は、とても無料のキャンプ場とは思えないほどしっかりと管理されており、とても清潔で使いやすい環境になっています。
キャンプ場内に流れる小川や美しい季節の花、そして鳥の鳴き声が聞こえてくるなんとも魅力あるキャンプ場です。
豊かで美しい大自然のもと、日常の喧騒を離れてのんびり過ごすことができるので、ボクみたいなバイクのソロキャンパーだけでなく、小さなお子さんのいる家族連れまで、幅広くおススメできます。
また、糸魚川市は、美しい山々だけでなく、良質の温泉や新鮮な魚介類にも恵まれた、自然の豊かな場所なので、ぜひ、一度訪れてみてはいかがでしょう。
ぜったいおススメですよ~
名称 | 海谷山峡パークキャンプ場 |
かな | うみだにさんきょうぱーくきゃんぷじょう |
住所 | 新潟県糸魚川市大字御前山662番地 |
連絡先 | 西海地区公民館(TEL 025-552-0268)、農林水産課(TEL 025-552-1511) |
管理者 | 糸魚川市 |
営業期間 | 4月下旬から11月上旬まで
申込書の提出が必要 |
料金 | 無料 |
ジャンル | 芝生フリーサイト |
施設 | 管理棟、テントサイト、炊事場、トイレ、駐車場など |
備考 | ゴミ持ち帰り、直火禁止 |
周辺施設の紹介
今回紹介した海谷山峡パークキャンプ場と同じ糸魚川市には、ほかに不動滝キャンプ場があります。
どちらも場所が近く、雰囲気もそっくりです。
しいて違いをあげるなら、海谷山峡パークキャンプ場は大自然の中にありながら公園の雰囲気があり、キャンプ慣れしていない方にもやさしいキャンプ場。
不動滝キャンプ場は、正真正銘山の中で、大自然を心ゆくまで満喫できるし、落差70mの滝を間近に見られるというめったにない環境ですが、テントサイト内は携帯電話がほぼ使えず、夏の時期はメマトイや蚊などの害虫がいます。
どちらもすっごく魅力的なキャンプ場なので、もし、不動滝キャンプ場に興味がある方は紹介記事を読んでくれるとうれしいです。
この記事に書いていない糸魚川市の魅力なんかも書いてありますよ~
山峡パークキャンプ場を利用したときのお風呂なんですが、車で約25分の場所に
糸魚川シーサイドバレースキー場内にある「塩の道温泉ホテルホワイトクリフ」さんがあります。
こちらの案内も不動滝キャンプ場の紹介記事内にありますので、ぜひ、どうぞ!
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