【更新情報】2019年9月
蔵王連峰(ざおうれんぽう)は、東北地方の中央を南北に連なる奥羽山脈において、宮城県と山形県の両県南部の県境に位置する連峰です。
主峰は山形県側に位置する熊野岳(1,841m)。
蔵王坊平国設野営場(ざおうぼうだいらこくせつやえいじょう)は、その蔵王連峰の山形県側の麓に位置する低料金(大人:大人:350円 1泊1人/日帰り60円)のキャンプ場です。
管理は上山市で、現地に管理センター(TEL 023-679-2464)が置かれており、管理人さんが常駐しています。
事前予約は必要ありませんので、当日、管理センターで受付をしてください。
なお、開設期間は例年6月から10月末までとなっております。
蔵王国定公園の自然を活かした標高約1000mの地形に開設されており、テントサイトはすべて芝生のフリーサイトで、面積6.9ha、収容可能人数は3000人と山形県内最大規模を誇ります。
広大な敷地内には、テントサイトのほか、クロスカントリーコースや遊歩道、蔵王高原坊平園地などがあり、トレッキングや蔵王高原坊平特有の珍しい高山植物も見ることができます。
遊歩道は、仙人沢という熊野岳に源を発した深い沢沿いに一周約1時間のコースで、上流に向かって遊歩道を歩いていくと落差30mの観音滝と仙人橋(吊り橋)があります。
主峰熊野岳や刈田岳のお釜(火口湖)への登山道も設定されています。
園地内には、様々な植物が咲いており、特に毎年6月上旬には、レンゲツツジが咲き誇り、見どころになっています。
なお、車で10分圏内にはスーパーやガソリンスタンド、温泉施設はありませんので、準備をしてから行かれることをおススメします。
人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。
なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。
この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~
蔵王坊平国設野営場までのルート
山形県上山市内から蔵王坊平国設野営場までは、山形県道12号線(通称蔵王エコーライン)を通って17.6km、車で約25分です。
反対の宮城県刈田郡蔵王町からは、蔵王エコーラインを通って37.5km、時間にして約55分です。
蔵王エコーラインは、1985年まで有料道路だったんですが、現在は無料になっており、観光シーズンになると宮城県側から蔵王連峰刈田岳山頂へ向かうルートが有料区間の蔵王ハイライン分岐まで大渋滞します。
山形県側は、上りも下りもほとんど渋滞することはありません。
蔵王エコーラインは、豪雪地帯に位置するため冬季閉鎖があり、蔵王町澄川スキー場入口 - 上山市坊平間(約16.5 km)が、11月上旬から4月下旬までの約半年間閉鎖されます。
蔵王エコーラインには、「蔵王高原坊平」と案内板がありますので、上山市方面から向かった場合は左折、宮城県から来た場合は、右折となります。
蔵王坊平国設野営場の施設紹介
キャンプ場管理センターについて
蔵王エコーラインから蔵王坊平高原方面に向かって道なりに200mほど進むと、キャンプ場管理センターがあります。
日中は管理人さんがおりますので、受付をし、住所と名前、連絡先を申込書に記入し、料金をお支払いください。
事前予約は必要ありませんが、イベントなどが行われていることがあるので、利用状況を確認しておくといいかも。
入場料は、大人(高校生以上)350円、小人(小・中学生)200円、日帰り利用は大人60円、小人40円です。
めっちゃ安いですよね!
管理人さんから、キャンプ場やその周辺施設に関する説明、注意事項などが伝えられます。
「蔵王坊平キャンプ場ガイド」という場内の略図付きの案内綴がおいてあるので、はじめて利用する方はもらっておきましょう。
利用についての注意事項は、出入り口の施錠はないので、夜間でも出入りは自由。
焚火台は直火厳禁、ゴミは持ち帰りです。
キャンプサイトへは車(二輪、四輪とも)で直接乗り入れOKですが、クロスカントリーコースへの車での侵入は禁止です。
そして、モトキャンパーにめちゃくちゃありがたい薪の販売もやっています。
薪は一束400円。
キャンプ場利用料金もハンパなく安いですが、薪もお買い得価格ですね~
テントサイトについて
蔵王坊平野営場の総面積は、なんと6.9ha。東京ドームの約1.5倍もあります!
テントは600くらい張れるそう。
キャンプサイトは4つに分けられていて、すべて車の直接乗り入れが可能です。
これ、なにげにスゴイことっすよ。ぶっちゃけここ、オートキャンプ場ってことですから。
しかも、道幅が広いんで、キャンピングカーでも乗り入れできちゃいます。
テントにタープ、バーベキューセット、テーブルにイス、お子さんの遊び道具とか満載の車で来ても、お父さんが荷物運びで苦労しなくていいんです(笑)
なので、ボクが行ったときも、たくさんの荷物を広げて家族でキャンプをしていた方が、た~くさんいました。
ホント、ここ、家族連れで来るにはサイコーじゃないかなあ。
テントサイトは4つに分けられていると言っても、区割りがあるわけじゃないんです。
おおむねの位置を示してるだけと思ってください。
管理棟から東に向かって進むと、右手がテントサイト1、左手がテントサイト2です。
キャンプ場内の道路は未舗装の砂利敷き、もしくは土なので、わだちも多く、バイクの場合は転倒に注意してください。
テントサイト1はこんな感じ。
みなさん、テーブルとベンチの近くまで車を乗り入れて、テントを張ってますね~
テントサイト2は、トイレや炊事場に近いんですが、木々が多く、地面も凸凹したところがたくさんあります。
場内を通る道路からも外れているので、あまり利用するヒトはいないみたい。
管理センターのすぐ隣にあるのが、テントサイト4です。
園内の未舗装の道路を走らずにすむので、バイクでキャンプに来た方におススメ。
テントサイト3は、管理センターから一番遠く、北端にあります。
芝生広場のように開けていて、サイト内に木々はあまり生えてません。
炊事場はあるのですが、近くのトイレが使用できなくなっているので、ここもおススメしませんね~
2018年6月に行ったときは、管理棟と炊事場、トイレに近いテントサイト1にしました。
管理人さんから、「野生動物が出るから危ないときはすぐに逃げられるよう、バイクを近くに置いておきな」と本気とも冗談ともつかないアドバイスを受けましたね(笑)
2019年9月に行ったときもほぼ同じ。
テントサイト1と2の境界あたりにテントを張りました。
このテントサイト内の芝は、整えられているところもありますが、基本的に国定公園の地形を生かしたとってもワイルドなキャンプ場です。
敷地はめっちゃ広いんですけど、平坦な場所が少ないので、場所選びにちょっと悩むかもしれませんね~
蔵王坊平国設野営場は、標高1000mの高地にあるので、上山市内よりも気温はかなり低くなります。
6月中旬に行ったときは、上山市内の気温が25度以上あってもキャンプ場は20度くらいでした。
午後6時30分には15度になり、午後7時30分には10度近くまで下がりました。
9月上旬に行ったときは、上山市内が33度ありましたが、キャンプ場は25度くらい。
朝方は20度を切るくらいまで下がりました。
真夏であっても、念のため、防寒用の服を持って行くことをおススメしますよ~
携帯電話の電波は、ボクのNTTdocomo4GがアンテナMAXで通話やネット環境はバッチリ!
ラジオは、AM、FMともよく入りました。
また、ペグはV字アルミ製16cmを使いましたが、地面は土状でちょうどよい硬さのため、すんなり打ち込め、また、抜けもありませんでした。
なお、電灯はありませんので、夜は真っ暗になります。照明器具は必須です。
炊事場について
炊事場は、テントサイト1と2の間に1つ、テントサイト3の東側に1つ、テントサイト4内に1つ用意されています。
いずれも同じ形で、屋根付き、水道とかまどのあるタイプです。
これは、テントサイト1と2の間にある炊事場です。
木製のシンクにステンレス製を張ったタイプ。
蛇口は8つ。そのまま飲料が可能です。
かまどは6つ。
耐熱レンガをコンクリートで固めたモノ。
キレイに掃除されていますね~
炊事場わきには薪を燃やした灰を捨てる場所があります。
焚火やバーベキューなどをして残った燃えカスや灰はこちらに捨ててください。
もちろん、食べ残しなどの一般ゴミはダメですよ~
トイレについて
蔵王坊平国設野営場は敷地がめっちゃ広いんですが、残念ながらトイレが1つしかありません。
ちょうどそれぞれのテントサイトの中央あたりですね。
正面がトイレです。
途中に電灯がないし、場内に小川が流れていたりするので、夜間は照明器具なしで行くことは危険です。
もちろん、トイレは電灯があって明るいですよ。
男女、身障者用の3つに分けられています。
めっちゃきれいで、ほのかに木の香りがして、気持ちよく用を足せます。
男性用小便器は6つ。奥が故障中でした。
男性用大便器も6つ。すべて和式水洗でキレイです。
洗面所もあります。
ちなみに、身障者用トイレはウォシュレット付きの洋式水洗でした。
大人一泊350円のキャンプ場にウォシュレットあるとか、ハンパないっす!
キャンプ場のトイレがウォシュレットってだけで、選ぶ価値がありますよね、マジで(笑)
秘密の湧き水場について
蔵王坊平国設野営場には、じつは、案内図にはない湧き水場があるんですよ。
その場所は、ココです。お散歩がてら行ってみるといいんじゃないでしょうか。
1番サイトから南に歩いてクロスカントリーコースに入ってください。
100mほど歩くと、左手に記念撮影用の広場が見えてきます。
そのちょっと先、草木が途切れている場所があるんですが、そこを右に曲がります。
すると、こんな風景が。
じゃーん!
案内図に載っていない、湧き水ポイントですよー。
ホースから滾々(こんこん)と水が湧き出てますねー。
おそらくこちらも蔵王連峰から流れ出る地下水でしょう。
注意書きも表示もないので、はたしてこの水を飲んでも大丈夫なのかどうか、それはわかりません。
でも、ボクは沸かして飲んだけど、ぜんぜん大丈夫でした。
どうしても場所がわからないというヒトのために、GPSで計測した緯度経度を載せておきますね。
北緯38度0729、東経140度2346
キャンプ場データ
蔵王坊平国設野営場の詳細情報
名称 | 蔵王坊平国設野営場 |
かな | ざおうぼうだいらこくせつやえいじょう |
住所 | 山形県上山市蔵王高原坊平 |
連絡先 | 管理センター:電話番号023-679-2464 :FAX番号023-672-1112
事前予約不要 |
管理者 | 山形県上山市商工観光課
住所:山形県上山市河崎一丁目1番10号 電話番号:023-672-1111 |
営業時間 | シーズン営業6月1日~10月31日
夜間出入り自由 |
料金 | 大人(高校生以上)350円、小人(小・中学生)200円
日帰り利用は、大人60円、小人40円 |
ジャンル | フリーサイト |
施設 | 炊事場、水洗トイレ、ファイヤーサークル、クロカンコースほか |
備考 | 駐車場あり100台以上、テント600張り以上可能
収容人数3000人 芝生、林間、松の木 ゴミ持ち帰り 焚火可能(直火禁止) 携帯電話の電波良好 |
蔵王坊平国設野営場の地図
蔵王高原坊平園地の紹介
キャンプ場のある蔵王高原坊平は、蔵王連峰の西の裾野、標高約1000メートルから1200メートルに広がる高原です。
春には若葉、秋には紅葉、冬には樹氷と四季折々の表情を見せる蔵王高原坊平。
園内には、クロスカントリーコースやつつじ公園、スキー場など、四季を通じて楽しめる施設があり、地元の方がトレッキングコースとしてもよく利用しています。
キャンプ場に行ったときは、ちょっと高原内を散歩してみてはいかがでしょう。
要所要所に水道やトイレがあって、小さなお子さんや女性でも気軽に歩けるし、大自然の懐に飛び込んだ感がハンパないですよ~
ここは中央広場。秋の澄んだ青空と芝の緑が美しいですね~
中央広場わきにはエクササイズの器具もありました。
ここは展望広場と展望舎です。
園内を通るクロスカントリーのコースです。
もし、自分の場所がどこだかわからなくなったら、コースをたどって下ればキャンプ場につきます。
クロスカントリーのコースとは別にウォーキングコースもあります。
このウォーキングコースは、ドイツのミュンヒェン大学がアジアで初めて「気候」の要素を取り入れた気候性地形療法として認定したコースなんですよ~
コースは登山道と同じような感じで、上り下りがあり、滑りやすい場所もありますから、ウォーキングシューズや登山靴を準備したほうがいいですね~
コースで一番高いところから上山市内を見るとこんな感じ。
いや~絶景ですね~
下に見える建物は、ライザワールドスキー場です。
毎年このスキー場から蔵王連峰に登り、樹氷を見るんですが、夏と冬ではまったく違う景色で別の場所にいるみたい。
下から見上げた蔵王連峰です。
9月上旬に撮った写真ですが、紅葉はまだのようですね~
ちなみに、冬に樹氷を見に行ったときの記事はこちらです。比較してみるとおもしろいですよ。
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2018年6月中旬に蔵王坊平国設野営場でキャンプしたときに立ち寄った、山形県上山市の温泉や名所、おだんご屋さんについて書きましたので、興味のある方は読んでくれるとうれしいです。 こんにちは。motocampers.net(モトキャンパーズ)管理人の晴れろGO!こと、ハレロゴです。 2018年6月中旬、東北地方は梅雨に入り、雨の多い時期になりました。 しばらくは、バイクでのキャ ... 続きを見る
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