こんにちは。motocampers.net(モトキャンパーズ)管理人の晴れろGO!こと、ハレロゴです。
最近、このblog内の「健康と運動(ダイエット)に関する記事」を読んでくれる方が多くなってきました。
もともと、キャンプとバイクツーリングの記事をメインにしていたんですが、健康や運動、ダイエットも本気で取り組んでいるので、めっちゃうれしいです。
ダイエットと言えば、運動と食事制限が王道です。
だけど、「できればどちらもやりたくない」というのが本音でしょう(笑)
「おいしいものをいっぱい食べて、楽してやせたい。」とだれしも考えるものです。
もちろん、ボクだってそう。
でも、食べるだけ食べて、運動もせずにゴロゴロしているだけでは絶対にやせないから、つらくても苦しくても、ダイエットを頑張るんですね~
ところが、食事制限や運動しなくても、脂肪を燃焼させて、やせやすい体になれるというダイエット方法が話題になっています。
それが、褐色脂肪(細胞)ダイエットとか、肩甲骨ダイエットなどと呼ばれるダイエット法です。
ふむふむ、興味はめっちゃわきますね。本当に楽してやせやすい体になれるのでしょうか。
とりあえず結論だけ先に書いてしまいましょう。
褐色脂肪(細胞)ダイエットは、動物を使った研究の結果では効果がありました。
では、ヒトの場合はというと・・・いまだ研究の途中なんです。
それをふまえて、ボクの意見は、
「やせたいのであれば、王道ダイエットをやるべき。その上で、褐色脂肪ダイエットも試してみるのであれば、気分的に効果があったと感じるかもしれない。」
といったところですね~
なぜ、そんな意見になったのか。
今日は、褐色脂肪細胞ダイエット・肩甲骨ダイエットとその効果について紹介しますよ~
褐色脂肪細胞とはなにか
脂肪は2種類あります。白い脂肪と茶色い脂肪です。
白い脂肪は、一般的に脂肪と呼ばれているモノ。
皮下脂肪とか内臓脂肪とか呼ばれるものがこれに当たります。
ヒトは、食べ物からとったエネルギーのうち、あまった分を中性脂肪としてためておいて、エネルギーが足りなくなったときに使います。
脂肪は燃料タンクに貯蔵される燃料のようなものなので、ため込みすぎると、肥満の原因になるんです。
脂肪と聞くと普通はこの貯蔵燃料のような働きを想像すると思うのでしょうが、茶色の脂肪は全く違う働きを持っています。
茶色の脂肪は、褐色脂肪組織(細胞)と呼ばれ、筋肉のように熱を作り出し、白色脂肪の燃焼を促す働きがあるんですね~
1551年、スイスの博物学者コンラート・ゲスナーらによって、冬眠動物であるマーモットの背中に褐色脂肪細胞があることが発見されました。
褐色脂肪は、肩甲骨まわりや腎臓、胸部大動脈の周囲の限られた場所にのみ、ほんの少しついているだけの脂肪です。
褐色脂肪細胞には、たくさんのミトコンドリアが含まれており、また、熱を作り、その熱を血液によって全身に行きわたらせる働きがあるため、毛細血管が発達しています。
そのため、脂肪なのに白色ではなく、茶色に見えるのです。
褐色脂肪組織には、交感神経が張り巡らされていて、寒冷刺激等で活性化し、熱を作り出すきっかけになっています。
褐色脂肪細胞の働き
褐色脂肪細胞の主な働きは、脂肪の燃焼を促すこと。
一言でいうと、体温の調節をしています。
ヒトをはじめとする哺乳類は、体温が低下すれば体の機能が働かなくなり死んでしまうことは、今更いうまでもありません。
体温の低下により生命の危機に陥らないようにするのが、脂肪細胞の働きなんです。
このため、冬眠する動物は、褐色脂肪細胞を多く持っています。
ヒトの場合は、生まれたての赤ちゃんがたくさんの褐色脂肪細胞の持ち主です。
食べず動かずの冬眠する動物や1日のほとんどを寝て過ごす赤ちゃんが、どうやってエネルギーを作り出し、体温を調節しているのかという疑問に対する答えが、これ、褐色脂肪の働きというわけ。
褐色脂肪細胞の働きによって体温の低下をまぬがれ、体の機能が維持されているのです。
脂肪燃焼の仕組
脂肪はどうやって使われているか。
一般的な脂肪が燃えるためには、刺激によって交感神経末端からノルアドレナリンというホルモンが分泌されなければなりません。
ノルアドレナリンによって脂肪分解酵素「リパーゼ」が活性化し、脂肪が分解されます。
分解された脂肪は遊離脂肪酸となって血液中に放出され、全身の筋肉でエネルギーとして使われるんです。
ざっくりとした簡単な説明ですが、これが脂肪燃焼のおおまかな流れです。
ただし、遊離脂肪酸になって血液中を流れていても、使われなければ、もとの脂肪に戻ってしまいます。
遊離脂肪酸を使うためには体を動かす必要があり、だからこそ、ダイエットには運動が最適と言われているんですね~
さて、褐色脂肪細胞が燃焼する場合を説明しましょう。
褐色脂肪細胞が、寒冷刺激等の刺激を受けると、大量のノルアドレナリンが分泌され、褐色脂肪細胞の表面にあるβ3-アドレナリン受容体(ホルモンの受け皿)に結合します。
すると、UCP1(脱共役たんぱく質)と呼ばれる物質が大量に作られて、血圧や心拍数、体温の上昇などを起こし、身体が活発に動くための体制を整えるんです。
この熱生産の元になっているのが、褐色脂肪細胞内に蓄積されている中性脂肪からでる遊離脂肪酸ってわけ。
褐色脂肪細胞内の中性脂肪がなくなったとしても、白色脂肪組織から出る遊離脂肪酸をも取り込んで、バンバン燃やしていく。
さらに、褐色脂肪細胞も体内の糖(グルコース)脂肪酸をどんどん合成して、中性脂肪をガンガンたくわえようとするので、燃料が尽きることはないのです。
太りやすい体質について
あなたは太りやすい体質だろうか。
太りやすい体質とは、「β-3アドレナリン受容体」の遺伝子異常が原因である。
「β-3アドレナリン受容体」遺伝子は、肥満を防ぐ働きがあるのだが、日本人をはじめとするアジア人は異常を持っている方が多いのだ。
日本人の場合、34%が太りやすいタイプの遺伝子を持っている。
正常に脂肪燃焼が行われる人は、ノルアドレナリンが脂肪細胞膜のβ-3アドレナリン受容体に結合して、UCP1の働きを高め、カロリー消費を促進する。
ところが、β-3アドレナリン受容体遺伝子に異常がある34%の日本人は、UPC1の働きが弱くなるため、同じ食べ物を食べても、同じような運動をしても、正常な人と比べてやせないということになってしまう。
また、白人は皮下脂肪として蓄える能力が高く、アジア人はその能力が低くなっているのである。
そのため、アジア人は、中性脂肪を皮下脂肪に貯蔵できなくなると、余った分を内臓脂肪として蓄えてしまう。
内臓脂肪は合成や分解速度が速いことから、大量の遊離脂肪酸が血管を通して肝臓の中に流れ込んでしまい、インスリンの働きを邪魔する。
これが、インスリン抵抗性となり、糖や脂質の代謝、血圧にも悪影響を及ぼすのである。
日本人をはじめとするアジア人は、あまり太っていなくても、内臓脂肪が多く、高血圧症や脂質代謝異常、糖尿病などを発症しやすいのはこうした理由からなのだ。
褐色脂肪細胞をダイエットに利用する
まず、褐色脂肪細胞ダイエットと肩甲骨ダイエットとは何か、これを見ていきましょう。
この二つに共通する点は、褐色脂肪細胞を刺激して、脂肪の燃焼を促そうというものです。
代表的な例としては、
●肩甲骨のストレッチなどをすることにより、その周辺にある褐色脂肪細胞を活性化させて脂肪を燃焼させる。
●肩甲骨付近に冷水を当てたりすることにより、その周辺にある褐色脂肪細胞を活性化させて脂肪を燃焼させる。
というもの。
いずれも、褐色脂肪細胞に刺激を与えて、活性化させようとする方法をとっています。
じっさい効果はあるのでしょうか?
褐色脂肪細胞は子どものころまでは、たくさんあるが、年を取るにしたがって、だんだん少なくなっていきます。
しかし、最近の研究で、大人にも褐色脂肪細胞が存在していることがわかりました。
夏にはほとんどなくても、寒い冬の時期には検出されたりと、条件によって機能が高まる場合もあります。
男性の場合、褐色脂肪細胞は40代以降に急激に減少します。
これが、いわゆる男性の中年太りに関係しているのではないかと考えられているそうです。
事実、肥満の人たちは、たいていの場合、褐色脂肪細胞の活性が低下しているという研究結果があります。
ただし、褐色脂肪細胞の活性低下は個人差があるようで、中高年男性でもぜんぜん太っていない方もいるし、ある程度の継続的な刺激で、褐色脂肪細胞が再活性、増量も見込める可能性もあるんです。
では、やっぱり、「肩甲骨まわりの刺激は効果があるのではないか」と思ったあなた、ちょっとまってください。
残念ながら現時点では、ヒトの褐色脂肪の働きを回復させる方法は見つかっていないんですよ。
動物実験では、寒冷刺激や直接刺激、β3-アドレナリン受容体を働かせる薬によって、やせさせるところまでは研究が進んでいるようなのですが。
また、褐色脂肪細胞を活性化させる手軽な方法としては、トウガラシなどの香辛料に含まれるカプサイシンなどの刺激物を取ることで、褐色脂肪が刺激され活性化させるのではないかと考えられています。
いずれにせよ、ダイエットに一番効果的な方法は、いまのところ運動ということに変わりはありません。
運動すれば、白色脂肪も褐色脂肪も刺激することになるんですから。
そういうわけで、最初に書いたとおり、褐色脂肪細胞の刺激によるダイエット効果は見込まれるものの、いまだ研究中なので、「すべて鵜呑みにするのは、早計ではないか。」という結論になってしまうのです。
第三の脂肪細胞、ベージュが脂肪を燃やす?
2012年、米国ハーバード大学の研究チームが、第三の脂肪細胞の発見を発表しました。
新たな脂肪細胞は、「ベージュ脂肪細胞」、別名ブライト脂肪細胞とも呼ばれ、熱生産を行うものの、褐色脂肪細胞とは異なる脂肪細胞です。
ベージュ脂肪細胞は、白色脂肪細胞の中に散らばって存在しており、運動によって白色脂肪細胞が変化して作られます。
この変化はイリシンというホルモンによって行われ、筋肉からも分泌されています。
つまり、レジスタンス運動(筋力トレーニング)などを行えば、ベージュ脂肪細胞が増えてやせるということです。
ところが、ところがです。
やっぱり、ベージュ脂肪細胞の研究も正確にイリシンを検出していなかったらしく、ヒトの体の中には、イリシンが効果を発揮できるほどはないのえはないかという考えもあります。
そもそもベージュ脂肪細胞の研究はげっ歯類に対してのもので、ヒトにイリシンを投与し、やせたという結果ではないようです。
結局のところ、ベージュ脂肪細胞とは関係なく、普通に運動して普通にカロリーを消費して、普通にやせただけなのではないでしょうか。
何ごとも、「楽してズルしていただきかしら~」という話はないようですね(笑)
まとめ
今日は、白色・褐色脂肪細胞の働きや仕組、それを利用したダイエット方法について説明しました。
プラスワンで、ベージュ脂肪細胞もおまけに付けました。
ボクが最初に感想として「ダイエットの王道をやった上で、試すべき」と書いた理由がおわかりいただけたのではないかと思います。
褐色脂肪細胞に期待は持てるものの、やはりまだ研究途中であるから、確実にやせようと思うのであれば、バランスの良い食事をとり、運動することが一番なんですね。
ダイエットの王道を歩み続ければ、絶対に間違いなく、健康的に体重を減らすことができるのですから。
そうした上で、褐色脂肪細胞を活性化させることができて、さらなるダイエット効果が生まれれば、より良い結果につながるというものです。
ダイエットは、目的ではありません。美しく健康になるための手段です。
まず、減量ありきではなく、食事と運動により、美容と健康を第一に考えるべきでしょう。
参考文献:褐色脂肪組織でのエネルギー消費と食品成分による活性化