【更新情報】2022年7月
今回紹介するかもめ島キャンプ場は、北海道江差町(えさしちょう)にある無料キャンプ場です。
管理は江差町で、開場期間は、例年4月中旬から10月下旬まで。
利用にあたっては、予約も現地での受付も必要なく、だれでも自由に利用OK。
このキャンプ場のセールスポイントは、美しい自然の小島で海と夕日の絶景をたっぷり味わえること。
徒歩で渡れる島なので、渡し船などに乗る必要はなく、気軽に島でのキャンプを楽しめるんですね~
島は、ほぼ町の中心地に位置します。
町内には、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの商業施設はもちろん、源泉100%かけ流しの温泉もあります。
交通アクセス、利便性ともにバッチリ!
逆にこのキャンプ場の欠点は、駐車場からテントサイトまで、めちゃくちゃ離れていること。
島の入り口にある駐車場にしか車を止めることができず、そこからは徒歩でしか行けません。
その距離約300m!
え?意外とに近いですって?
たしかに直線距離だとそうなんですが、テントサイトは島の頂上付近にあるため、約170段ある階段を上らないとダメ。
荷物を運ぶリヤカーなども用意されていません。
ボクが知る限り、道内キャンプ場の中で、荷物運びの大変さランキング、トップクラスのキャンプ場です(笑)
同じくらい大変なのは、岩見沢市にある利根別自然公園キャンプ場くらいかなあ。
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もちろん、その苦労をするだけの価値のある、すばらしい景観を眺めることができるんですけどね。
荷物の少ないソロのモトキャンパーには、ちょーおススメ!
小さなお子さんのいるファミリーキャンプの場合は、江差観光コンベンション協会が主催する、手ぶらでキャンプを楽しめる「かもめ島マリンピング~海と日本PROJECT~」なんて企画があるので、そういうのを利用するといいかも。
人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。
なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。
この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~
江差町の紹介
江差町は、檜山(ひやま)振興局に属する町です。
一般的に道南と呼ばれる地方に位置します。
北海道には、「えさし」町は2つあります。
ひとつは、檜山振興局の江差町。もう1つは、宗谷振興局の枝幸町。
南の江差と北の枝幸、どちらも語源は同じです。
「頭が・浜に・ついている・所」、つまり、「岬」を意味する「エサウシイ(エサウシ)」に由来するんだそう。
(※諸説あり)
江差町は、北海道の南西部に位置し、道内でも最も早い時期に本州の人が住み始めた地域。
北海道の中でも函館市、松前町と並んで、北海道で最も早く開けた地域の1つでもあり、北海道文化発祥の地とも言われています。
江戸時代、ニシン漁最盛期には「江差の五月は江戸にもない」といわれるほどの繁栄を極めました。
北前船交易によりもたらされた江差追分などの伝統芸能や生活文化が数多く伝承されています。
また、1868年(明治元年)、江差沖で暴風雨に遭い沈没した、江戸幕府の軍艦「開陽丸」を引き上げて復元、今も江差の海で幕末のロマンを漂わせているんですね~
江差町は、隣接する上ノ国町と同じく、沿岸を流れる対馬海流(暖流)の影響で、道内では屈指の温暖な気候です。
ただ、積雪が少ないんですが、降雨量は多い地域でもあります。
西部は日本海に面し、東部は山岳地帯。奥尻島と結ぶフェリーが発着する港町です。
基幹産業は漁業で、国道やかもめ島入り口の直販所などでは、水揚げされた「紅ズワイガニ」を販売しています。
近年は、史跡や景観の観光資源を活用した観光事業に力を入れており、多くの観光客が訪れる町を目指しているようです。
町を代表する特産品の紅ズワクィガニは、ふるさと納税の返礼品にもなっているんで、江差町へふるさと納税をしてみるってものいいんじゃないでしょうか。
かもめ島キャンプ場までのルート
かもめ島(鷗島)は、町のほぼ中心にあります。
隣接する自治体と江差町を結ぶ国道228号線沿いにあるようなもの。
町内には、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、入浴施設などの商業施設がそろっています。
交通アクセス、利便性ともに言うことなし!
観光スポットなので、地図で見てもわかりやすく、迷うことはないでしょう。
ナビゲーションシステムの案内どおり進めばOKです。
国道228号線にかもめ島の案内板が出ています。
ここから400mほど進むと駐車場です。
ここがかもめ島の駐車場。
正面に見えるのが、かもめ島です。
駐車場は、堤防沿いに国道の方まで伸びていて、普通車約150台が駐車可能。
もちろん料金は無料。
アスファルト舗装部分と、砂利敷き未舗装の部分がありますが、ほぼ平坦なんでバイクも止めやすいと思います。
国道沿いだし、観光客が多く集まる場所です。
キャンプ場へ行くときは、貴重品は、ぜったいに車の中に置かないようにしましょうね。
かもめ島キャンプ場を紹介するよ
かもめ島は、周囲約2.6km、海抜約30mの小島で、防波堤により陸地とつながっている陸繋島です。
元々は海に浮かんだ島で、弁財天をまつる神社があったことから、かつては弁天島と呼ばれていました。
その当時、天然の良港を築くこの島は、江戸時代にはニシン漁や北前船交易で栄え、江差の歴史や文化を代表する場所と言ってもいいでしょう。
上空から見ると、かもめが羽を広げたような形から、現在は「かもめ島」と呼ばれており、檜山道立自然公園の特別地域に指定されています。
「日本の夕陽百選」に選ばれた、島からの夕日と日本海の眺めは絶景で、一度は訪れたい魅力ある場所です。
江差町の歴史と深いかかわりがあり、自然豊かで景観も美しいかもめ島は、町のシンボルとして町民にも愛されています。
キャンプ場へは、駐車場から歩いて向かいます。
周囲が断崖のため、駐車場側からしか行けません。
島へ向かう途中の堤防沿いは、右側を「前浜」、左側を「えびす浜」と呼んでいます。
(写真は前浜)
「えびす浜」は、夏期間は海水浴場となっています。
正面に見える建物は、シャワールーム兼公衆トイレ。
シャワーは、海水浴場が開いている期間のみ利用できます。
トイレは、男女、身障者別に分かれていて、一年を通して使用可能です。
これが男性用トイレ。
スイングドアにコンクリート打ちっぱなしの床。
海水浴場にあるトイレって雰囲気ですよね。
小便器は、水洗式が2つ。
大便用は水洗和式が1つ。
白いボードの壁に掃除の行き届いた便器。
シンプルですが、清潔感がありますね。
洋式便座のトイレもあります。
予備のトイレットペーパーも完備。
キャンプ場利用者が使うトイレではありませんが、トイレがキレイなのはいいことです。
これは洗面所。
電灯もあるので、夜間でも安心して使えるトイレです。
こちらは身障者用。
一般のトイレと同じ造りです。
ここもしっかり掃除してあって、気持ちよく使えますね。
島の隣にあるのは、高さ約10mの瓶子岩。
古来より守り神として地元の漁師の方から崇拝されています。
この岩にまつわる言い伝えは、こんな感じ。
「今から500年前、瓶を海に投げたところ、江差にニシンが来るようになった。この瓶が石になって海上に現われ、瓶子岩になった。」
毎年7月の第1土曜、日曜日に開催される「かもめ島まつり」では、町内の若者たちによって全長30mのしめ縄がかけられるんだそう。
鳥居は、2015年、厳島神社建立400年を記念して、有志によって瓶子岩の前に建立されたものです。
キャンプ場は島の頂上付近にあるんで、この階段を登っていきます。
段数は、約170段。距離は約100m。高低差は約20m。
荷物がなければ、そんなにきつくはないと思いますが、キャンプだとそうはいきませんね(笑)
2022年、階段の中央部分にスロープがつけられ、荷物運びがそれまでに比べ、めちゃやりやすくなりました。
なお、スロープは、荷物の運搬専用の場所。
キャンプ用のキャリーカート以外の使用は禁止。
自転車はもちろん、歩いて登るのも遠慮してくださいね。
ちなみに、ここの階段を登らず、海沿いの遊歩道(かもめの散歩道)を進んでも、最後はキャンプ場に着きます。
ただ、かなり遠回りになるので、キャンプに来た方は、この階段を使いましょう。
テントサイトについて
これが、かもめ島キャンプ場の全体図。
島の上には、厳島神社や灯台のほか、ステージ、トイレと水道施設があります。
神社は、1615年に回船問屋仲間が海上安全の願いをこめ、弁財天社として建立したもの。
1868年(明治元年)に厳島神社と改称されました。
ここが階段を登り切ったところ。
正面に水道施設があって、右側の奥がテントサイトです。
島の周囲を舗装された歩道が通っています。
キャンプ用のキャリーカートを走らせやすくていいですね。
ほかの一般的なキャンプ場に比べて、荷物の搬送に苦労する場所ですが、キャンプに訪れる方の負担を減らすべく、きっちり手が入れられています。
そういえば、この場所から屋外ステージ方向に向かって右手に、民宿の建物があったんですよね。
それが今はキレイに撤去されています。
手ぶらキャンプの企画などありますので、かもめ島の頂上付近はキャンプに特化させるつもりなのかも。
どんどん便利になりそうですね~
テントサイトは、芝地のフリーサイト。
島の頂上付近一帯が、手入れの行き届いたキレイな芝生で覆われています。
で、ここでblogを読んでいただいている皆さんにお詫びを申し上げます。
ボクは、テントサイトについて誤解してまして、屋外ステージやトイレ周辺を含めて芝地の部分が全部フリーサイトだと思ってたんですよ。
でも、正確に言うと、本来のテントサイトは、ステージの奥、つまりキャンプ場の一番北側なんです。
ちょうど厳島神社の裏手が雑木林になっていまして、その周辺がテントサイトです。
公式サイトで「キャンプ場」って示されているあたりですね。
間違って覚えてたもんで、本来のテントサイト部分の写真は撮ってきませんでした。
次回訪れたときにしっかり撮りますので、今回の写真については悪しからずご了承ください。
なお、江差町役場の担当係に確認したところ、ステージや灯台前周辺の芝地にテントを張ってもOKだそうです。
ただ、灯台やトイレ、ベンチの近くは、キャンプ客以外の観光客の方も利用するので、テントを張るときは、邪魔にならないようにお願いします。
ここから見る夕日は特に美しく、さすがは「日本の夕陽百選」に選ばれた場所。
ただ、そのすばらしいと見晴らしの良さは、海風が直接当たることの裏返しでもあります。
かもめ島は、日本海に突き出た小島なんで、とても強い風が吹くんですよね~
地面も、ところどころ傾斜していて、けっこううねっています。
きっちり手の入った芝地のおかげで、水はけは悪くないんですが、低い土地には雨水もたまりやすい。
ボクが行ったときのように、雨風が強い悪天候時は、神社の隣りにある防風林のある場所とか、屋外ステージの近くにテントを張るといいかも。
避難場所となる建物もありますが、警報が出るほど天候が悪化しそうなときは、そもそもこの島に渡ることを中止したほうがいいと思います。
テントサイトには、区割りや境界はありません。
どの場所でもファミリー用の大型テントだって、タープだって余裕で張れちゃう広さです。
ただ、荷物の搬送の大変さから、そんなに混雑することもないようですし、利用者のほとんどがソロキャンパーぽい。
ほかの方の迷惑にならないよう、常識的な範囲でテントを張れば問題ないでしょう。
夜間照明については、島のあちこちに街灯があって、夜でも真っ暗にはなりません。
ただ、安全のため、照明器具は持って行った方がいいと思います。
スマホの電波は、島内どこでもOKです。
これは、テントサイト近くにある灯台。
1889年(明治22年)に初点火した航路標識です。
昭和26年に建て替えられ、西洋のお城のような形になりました。
高さは12mで、展望台も兼ねています。
もともと眺めがいい場所ですが、気楽に登れるんで、この島に来たらぜひ登ってみましょう。
こんな感じで見えますよ。
この日は、悪天候過ぎましたけど(笑)
トイレについて
トイレは、灯台と屋外ステージの間にあります。
木造ですが、しっかりした土台の頑丈そうな建物です。
強い風の吹く島の頂上付近でも、びくともしなさそうで心強い。
男性用と女性用に分かれています。
こちらは男性用。
床はコンクリート、壁は白壁で清潔そうな感じがしますね。
感知式の自動点灯型照明で、夜でも安心して使えます。
水洗式の小便器が2つ。
便器が老朽化して多少変色してますが、トイレそのものはきっちり掃除されていてキレイですよ。
大便用は、洋式便座が1つ。
予備のトイレットペーパーも完備しています。
水道施設について
水道施設は、2か所。
1つは、島の下から階段を登り切った場所。
もう1つは、屋外ステージの前です。
こちらは、階段を登り切った場所にある水道施設。
もともとは、丸太を模したコンクリート製の立水栓でした。
蛇口を新たに3つ取り付け、簡易の洗い場を設けています。
いわゆる炊事場と呼べるほどの場所ではなく、あくまで水の利用ができるだけ。
屋根や夜間照明のない露天ですので、ここで本格的な調理は難しいですね。
排水溝のフタはグレーチングなんで、食材を流したり、食器類を落とさないように気をつけてください。
水は、上水道でそのまま飲料水として使えます。
利用上の注意事項について
かもめ島キャンプ場を利用するときの、ルールやマナーは、一般的な無料キャンプ場や公園と同じ。
とくに難しいことはありません。
花火の禁止と焚火の直火禁止です。
芝を傷めないよう、焚火台やコンロを使用しての煮炊きはOK。
有料キャンプ場とかだと、コンロは芝から50cm離すことなんて基準を設けてるところもありますね。
高さが足りない焚火台の場合は、焚火シートは必ず敷きましょう。
また、焚火の周囲ってけっこう火が飛び散りますから、コンロなどを使用したからといって油断しないように。
焼けた炭などを落として、芝に焦げ跡などを作らないようにお願いします。
火の取り扱いに関しては、ルールを守らない事例が多くなると、焚火の全面禁止にもつながりかねません。
じっさい、道内の森林キャンプ場では、焚火全面禁止のところが増えてきています。
火事の危険もあるので、火の取り扱いに注意することと、炭や灰の持ち帰りをお願いします。
あとは、ぜったいに守ってほしいゴミの持ち帰り。
このキャンプ場に限ったことではありませんが、道内は野生動物が非常に多いです。
ゴミをきちんと処理しないと、キャンプ場にカラスやキタキツネ、場合によってはヒグマが来ますから。
「こんな街中にも?!」ってびっくりするような場所にも、普通にヒグマが出たりします。
カラスやキタキツネは、犬、猫以上にいますからね(笑)
しっかりルールとマナーを守りましょうね~
温泉施設の紹介
江差町内には、入浴施設がいくつかあるんですよね。
そのうち、温泉を3つほど紹介します。
いずれもキャンプ場から車で7、8分程度の場所にあるし、料金も格安で利用しやすい日帰り温泉施設です。
まずは、「緑丘温泉 みどりヶ丘の湯っこ」。
えさし温泉とも呼ばれています。
キャンプ場から車で約7分。
江差町上町商店街に近く、木々に囲まれた静かな場所にあります。
お湯は源泉100%のかけ流しの天然温泉。
地場産のヒバ材をふんだんに使用した浴室で、爽やかな木の香りが漂います。
営業時間は、16時から夜の20時30分まで。(土、日は14:00~20:30)
定休日は毎週水、木曜日
入浴料金は、大人390円、小学生150円、小学生以下100円です。
次に紹介するのは、「繁次郎(しげじろう)温泉」
キャンプ場から国道227号線を北に向かい、道の駅「江差」の少し先の国道沿いにあります。
キャンプ場から車で約7分。
ここは浴槽の種類がめっちゃ豊富。
約39度の低温湯から約46度もある高温の源泉かけ流しなど、5種類の浴槽を備えています。
ほかにもフィンランド式サウナもあり、温泉マニア、サウナファンも思わずにっこり。
営業時間は、17時から夜の22時まで。(土、日は12:00~22:00)
年中無休の営業です。
入浴料金は、障がい者と65歳以上150円、12歳以上300円、6歳から11歳120円、3歳から5歳100円です。
年中無休で夜遅くまでやってるし、料金も格安!
旅行者にめっちゃおススメですよ~
最後に紹介するのは、町営の「ぬくもり温泉保養センター」です。
ここは、キャンプ場から国道227号線を北に向かい、道の駅「江差」の少し先の集落にあります。
繁次郎温泉のすぐ近くで、周辺に酒屋やコンビニのある便利な場所。
キャンプ場から車で約7分です。
浴槽は、男女ともに1つずつ、シャワーも備えています。
もともと高齢者用の浴槽であったため、しっかりとした手すりが備え付けられています。
障害のある方や高齢者でも安心して入浴できますね~
敷地内には足湯もあるので、近くを通りかかったらぜひ立ち寄ってみてください。
営業時間は、11時から夕方17時まで。
定休日は毎週月曜日です。
入浴料金は、70歳以上220円、12歳以上440円、6歳から11歳140円、6歳未満100円です。
今回紹介した温泉の中で午前中からやってるのは、ここだけです。
昼食前にひと風呂!って方は、ここの温泉がおススメですよ~
かもめ島キャンプ場のデータ
名前 | かもめ島キャンプ場 |
かな | かもめじまきゃんぷじょう |
住所 | 北海道檜山郡江差町字鴎島 |
連絡先 | 江差町役場財政課住宅管財係(電話:0139-52-6715) |
管理者 | 江差町 |
営業期間 | 例年4月中旬から10月下旬まで |
料金 | 無料(予約・受付必要なし) |
ジャンル | 芝地のフリーサイト(車両の乗り入れ不可) |
施設 | テントサイト、水道施設、トイレ、駐車場 |
備考 | ゴミ持ち帰り、直火・花火禁止 |