【更新情報】2019年4月
今回紹介する相の沢キャンプ場は、岩手県中部に位置する滝沢市(たきざわし)の西側、岩手山(いわてさん)の真下、鞍掛山(くらかけやま)の麓(ふもと)にある無料のキャンプ場です。
滝沢市は、2014年(平成26年)1月1日付で市になる前は、人口がなんと5万人を超えるめっちゃ大きな村でした。
滝沢市の北西部には、岩手県の最高峰、岩手山をいただき、市内を雫石川(しずくいしがわ)や北上川(きたかみがわ)が流れています。
稲や野菜のほか、酪農を主体とした都市近郊農業地帯で、岩手県立大学が開学したことにより、 県庁所在地である盛岡市圏内における研究学園地域としての機能も強化されました。
盛岡市とともに岩手県を代表するお祭りの一つ、「チャグチャグ馬コ」の開催地でもあります。
チャグチャグ馬コとは、農耕馬に感謝する200年以上に及ぶ伝統行事で、色鮮やかな装束で着飾った100頭程の馬と馬主が、滝沢市鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社で参拝し、盛岡八幡宮までの約13キロの道のりを約4時間かけて行進するお祭りのこと。
2019年(平成31年・令和元年)におけるチャグチャグ馬コの開催日は、6月8日(土)が予定されています。
さて、そんな酪農が盛んな滝沢市が管理する相の沢キャンプ場は、冬季間は水道やトイレなど施設に使用制限はあるものの、一年を通して解放されています。
キャンプシーズンだけでなく、冬山ハイクをする登山者も利用できるようにとの配慮でしょうね。
利用するときには、事前予約は必要ありませんが、キャンプ場の入口にある「たきざわ自然情報センター」で受付をしてください。
管理人さんは、午前9時から午後3時まで滞在しています。
もし、この時間帯以降に訪れたときは、ご面倒でも翌日声をかけてほしいとのことでした。
センターでは、管理人さんや地元山岳会のボランティアの方が、鞍掛山登山や周辺の自然観光のタイムリーな情報を提供してくれますよ~
人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。
なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。
この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~
相の沢キャンプ場までのルート
相の沢キャンプ場は、東北自動車道滝沢ICから県道278号線を西へ約14.3km、車で約18分の場所にあります。
岩手県の県庁所在地である盛岡市街地からだと、北西へ約25km、車で30分くらいの距離ですね~
山のふもとで周囲は牧草地帯という、市街地から離れた場所にあるキャンプ場なので、給油や食料品の買い出しはすませておいたほうがいいと思います。
あとで紹介しますが、近くに入浴施設はあるので、お風呂は大丈夫ですよ。
相の沢キャンプ場行く途中の県道278号で、岩手山がすっごくキレイに見える場所があります。
住所で言うと、岩手県滝沢市鵜飼臨安102-541「ぱん工房 麦の粒」さんを過ぎたあたり。
ちょうど電線が途切れて、遮るものがないもない状態で、写真のような岩手山を望むことができるんです。
ぜひ、みなさんも見てみてくださいね~
ただ、県道278号はところどころアスファルト舗装がはがれていて、けっこうなギャップがあったりもします。
青や黄色のペンキでわかりやすくマーキングはされているんですが、とくにバイク乗りの方は気をつけてください。
ボクのような口径の小さいタイヤを履いたスクーターだと、飛び跳ねちゃうこともあるんですよね~
相の沢キャンプ場を紹介するよ
キャンプ場までの道順と駐車場について
なんでだったかよくわかんないんですけど、ボクが全幅の信頼を寄せているヤフーナビ先輩に「相の沢キャンプ場」とだけ入力して目的地を表示させところ、ぜんぜん違う場所に連れていかれました(笑)
「たきざわ自然情報センター」か、その住所「岩手県滝沢市鵜飼安達114」を入力すれば大丈夫です。
盛岡市内や滝沢市内から相の沢キャンプ場に向かった場合、県道278号を西進して県道219号との丁字路交差点を右折北進すれば、あとは1本道です。
相の沢キャンプ場の出入口は、2か所ありますが、手前が出口専用になっていますので、チェーン脱着所をすぎた奥の入口側から入りましょう。
メインの駐車場はこんな感じ。
すっごく広い!
アスファルト舗装がされており、約180台の普通車が止められます。
駐車場側からキャンプ場を見ると、こんな感じ。
左の建物が、たきざわ自然情報センター。
ここから先は、車両の乗り切れは禁止です。
キャンプ場は、駐車場からだと200mくらい先になるので、荷物を運ぶのは、ちょっと大変かも。
キャンプ場利用の際の注意事項が、いくつかあります。
ゴミの持ち帰りと直火の禁止、それとペットの入場はできません。
このキャンプ場も無料とは思えないほど、設備も環境もすばらしいので、マナーを守って利用したいですね~
たきざわ自然情報センターについて
ちょうど管理人さんがいらしたので、センターの中でお話をしつつ、写真を撮らせてもらいました。
たきざわ自然情報センターの正面です。
清涼飲料水の自動販売機がありますので、キャンプ場中にのどが渇いたときも、遠くまで買い出しに行かなくてOKですよ~
入口の扉に貼られた名文句。
旧岩手県稗貫郡(ひえぬきぐん)里川口村(さとかわぐちむら)、現在の花巻市出身の詩人、童話作家である宮沢賢治さんのちょー有名な童話から。
もちろん、入ったからといって、料理される側になることはありません(笑)
出入り口ドアを入って左手にトイレがあります。
冬季間中は、屋外トイレが使えないので、管理人さんが滞在している間は、こちらのトイレを貸してもらえます。
相の沢キャンプ場は、駐車場、キャンプ場の使用ともに無料ですが、施設の維持管理のため、協力金をお願いしています。
宿泊で利用するなら、100円とかしみったれたことを言わず、どかーんと500円くらい払っちゃいましょう。
はっきり言って、500円だって安いって思えるくらい、いいキャンプ場ですよ。
こちらは、センター屋内の様子。
薪ストーブが、めっちゃいい雰囲気を出してました。
シーズン中は、壁にはキャンプ場周辺や山の写真が飾られているとのことですが、この日はまだいろいろと準備中でお忙しそうでした。
ここ数日で一気に雪が消えたそうで、登山客がいっぱい来てましたね~
相の沢キャンプ場から行ける鞍掛山は、岩手山の南に親子のようにならんでそそり立ち、標高は897m。
登山初心者でも比較的登りやすいんだそうで、新緑の季節から雪上ハイクまで楽しめる親しみやすさも人気なんだとか。
毎年2万人を超える登山者が訪れるんだってさ。すげえ!
テントサイトについて
たきざわ自然情報センターから先に進んだ場所がテントサイトになっています。
え?どのあたりかって?
ぜ~んぶですよ、ここら一帯ぜ~んぶ。
登山道以外なら、どこにテントを張ってもOKです。
事前予約とか必要がないキャンプ場なので、早い者勝ち。
相の沢キャンプ場は、ともかく広い。
山形県上山市の蔵王坊平国設野営場も広かったけど、こっちも広大な土地だなあ。
収容人数500人ってのも納得です。
全面芝生のフリーサイトで、地面の硬さはちょうどよく、ペグもよく刺さります。
ただし、山のふもとなので、基本的に斜めってる(笑)
平たんな場所は少なく、葉っぱや松ぼっくりもたくさん落ちてるので、一等地を見つけるのは難しそう。
ファイヤーサークルもあります。
周辺は、ほかの場所と比べて地面が平坦なので、おススメかも。
この日はまだ雪が残っていました。
キャンプ場の東手に広がる広大な敷地は、相の沢牧野です。
岩手県内でも比較的大きな牧野で、面積は放牧専用地が170ha、放牧地および放牧採草兼用地が62ha、採草地が81haの合計313ha。
5月から10月までの間、乳用牛や黒毛和種、馬を放牧しています。
ボクが行ったときは、まだ4月の中旬だったんで、牛も馬もいませんでしたね~
炊事場について
炊事場は2か所あります。
1か所目は、テントサイト西側の奥にあるちょっと古めの炊事棟。
コンクリート製のシンクで、水道がありますが、水が出るかどうかは不明(この日は出ませんでした)
洗い場のわきにはかなり大きめのコンクリート製のテーブルがあります。
かまどもありましたが、破損しています。
たぶん、こちらの炊事棟はあまり使われてないのかも。
炊事棟付近には、コンクリート製のテーブルとベンチもあります。
4人くらいは余裕で座れちゃうので、自前のイスとテーブルを用意しなくてもOK
2か所目の炊事棟は、テントサイトのすぐ北側にあります。
こっちの方は新しくて、かなりキレイ。
コンクリート製の立派なシンクで、蛇口が片側4つで、合計8つ。
そのまま飲める上水道ですが、この日はまだ水が出ませんでした。
洗い場の奥には、コンクリート製の大きなテーブルがあるので、調理もらくらくできちゃいます。
耐火レンガ製のかまども完備。
こっちの炊事棟のかまどは、グリルと火床もちゃんとありました。
トイレについて
メインのトイレは、たきざわ自然情報センターからキャンプサイトに向かう途中にあります。
その名も「相の沢さわやかトイレ」
男女のほか身障者用トイレがあります。
山のふもとの無料のキャンプ場のトイレとは思えないくらい、しっかりした作りで、めっちゃキレイ。
こちらが男性用。
洗面台と水洗式小便器が2つ。
こちらも清掃が行き届いていて、まさにさわやかの名前のとおり(笑)
大便用は洋式が1つ。
トイレットペーパーもちゃんとあって、こちらもきっちり掃除されていました。
やっぱり、トイレがキレイなキャンプ場はイイ!
こんなにも立派なトイレや施設をいつまでも使えるよう、施設の維持管理のための協力金をお願いしますよ~
こちらは、サイトの一番北側奥にある簡易トイレ。
敷地がすっごく広いもんだから、サイトの端からさわやかトイレまでだと、けっこう歩きます。
日中ならいいけど、夜だと大変ですよね。
そういうときに利用するといいのかな。
まあ、簡易汲み取り式なんで、ホント簡素なつくりだけど、男性の小便なら問題なし。
こちらが大便用。
夜は・・・・ちょっと勇気がいるな(笑)
入浴施設について
相の沢キャンプ場のすぐそばに、滝沢相の沢温泉「お山の湯」という施設があったんですが、残念ながら2016年(平成28年)10月で閉館してしまいました。
なので、入浴は相の沢キャンプ場から西へ車で約8分の場所にある網張温泉(あみはりおんせん)に行きましょう。
網張温泉は、開湯が西暦700年前半とされ、昔は山岳信仰の対象になっていました。
江戸時代に、勝手に入浴できないように温泉に網が張られていたというところから、網張温泉の名前がついたそうです。
網張温泉には、2つの入浴施設があって、ひとつは休暇村岩手網張温泉です。
休暇村岩手網張温泉は、総合休養施設で日帰り入浴だけでなく、食事や宿泊することもできます
また、休暇村岩手網張温泉には「大釈の湯」、「白泉の湯」、「薬師の湯」、「仙女の湯」(冬期閉鎖)、「鹿追足湯」(冬期閉鎖)の計5ヶ所の温泉があり、これらを総称して「網張五湯」と呼びます。
このうち、薬師の湯が日帰り温泉になっていて、受付時間は平日9:00~17:00、土日祭日は18:00までです。
料金は、大人600円、小学生310円で、休暇村の宿泊客は無料になっています。
本館内にある大釈の湯と白泉の湯も日帰り入浴はできますが、受付時間が8:00~14:00と短いので、登山者やキャンパーには向かないかも。
もうひとつの入浴施設は、日帰り入浴施設のありね山荘です。
のどかな牧場風景の中でのんびり、ゆったり温泉に入ることができて、浴室からは、雫石町はもちろん、遠く盛岡市まで、眼下に雄大な景色を眺めることができます。
利用できる時間は、4月~11月が9:00~21:00まで(最終受付20:00)
12月~3月が、10:00~18:00(最終受付17:00)です。
毎月第1月曜日が休館日ですが、休館日祝日の場合は、翌日が休みになります。
料金は、町民の方ですと、大人410円、小学生と70歳以上が210円。
町民以外の方ですと、大人510円、小学生310円です。
温泉がスバラシイのは言うまでもないんですけど、施設も充実していて、浴室にはシャンプー、ボディーソープが備え付けられています。
さらに、サウナと露天風呂もあり、入浴後にくつろげる無料の休憩室もあります。
土日がメインになりますが、産直コーナーがあり、地元の食材などを販売しています。
食堂はありませんが、施設内への飲食物の持込は可能です。
ボクのようなキャンパーや登山者なら、最終受付時間の遅いありね山荘のほうが、利用しやすいんじゃないでしょうか。
夕方に相の沢キャンプ場着いて、テントを張ってからでも十分間に合いますし、途中で買ったお弁当などを持ち込んでもOKなので。
どちらもすっごくいい温泉施設なので、時間がある方は、いっそ両方行ってみるのもいいかも(笑)
なお、詳しい営業時間や利用料金は、公式サイトで確認するか、直接問い合わせてくださいね~
相の沢キャンプ場データ
相の沢キャンプ場は、ツーリングや旅行の際の宿泊だけでなく、鞍掛山や岩手山の登山のベースキャンプ地にぴったり。
駐車場や水道設備が整っているうえ、収容人数500人もの広大な敷地になっています。
シーズン中は、大自然の緑のうつくしさに囲まれながら、目の前に広がる相の沢牧野に放牧されている牛や馬を眺めて牧歌気分にひたれること間違いなし。
ちょっと市街地からは離れていますが、その分、夜は満天の星空が信じられないくらいキレイに見えます。
おまけに、利用料が無料なんですよね、ここ。
温泉施設も近くにありますから、ぜひ、一度訪ねてみてください。
ホント、すっごくいいキャンプ場ですよ~
名前 | 相の沢キャンプ場 |
かな | あいのさわきゃんぶじょう |
住所 | 岩手県滝沢市鵜飼安達114-7 |
連絡先 | たきざわ自然情報センター(019-691-6555) |
管理者 | 滝沢市役所 経済産業部 観光物産課(019-656-6534) |
営業時間 | 4月下旬から11月初旬まで(場所は一年を通して解放)
予約不要、要受付(たきざわ自然情報センター) |
料金 | 無料(キャンプ道具等のレンタルはありません。) |
ジャンル | 芝生フリーサイト |
施設 | キャンプサイト、炊事場、トイレ、駐車場など。周辺に温泉施設あり |
備考 | ゴミ持ち帰り、直火禁止 |