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【低料金キャンプ場】名峰白山のふもとで秘湯に入れる市ノ瀬野営場

【更新情報】2022年7月

今回紹介する市ノ瀬(いちのせ)野営場は、石川県白山市(はくさんし)にある低料金で利用できるキャンプ場です。

白山(はくさん)国立公園の中にあり、白山登山の玄関口として多くの登山客でにぎわいます。

周辺施設の管理は国と県がしており、清掃協力金として、中学生以上1人500円、小学生250円を徴収しております。

なお、未就学児は無料です。

利用にあたっては、事前の予約は必要ありませんが、敷地内にある市ノ瀬ビジターセンター(TEL:076-255-5321)で申し込みを行ってください。

市ノ瀬ビジターセンターは、例年5月から11月まで開館しており、開館期間中は無休、営業時間は午前8時45分から午後5時までとなっています。

なお、キャンプ場は11月中旬から5月末までは冬季閉鎖のため利用できません。

 

市ノ瀬野営場は、白山の登山口に位置するため、登山のベースキャンプに利用されることが多い場所です。

白山市の中心市街地から車で1時間以上も離れた山の中にあるので、登山以外であえて利用する方は少ないかも。

ですが、ボクはじっさいに利用してみて、すっごく魅力的なキャンプ場だと思いました。

その理由は、た~くさんあるんですが、まず、炊事場やトイレなどのキャンプ場内の設備が整ってる。

んで、周辺には天然のブナ林や自然を満喫できる散策路やトレッキングコースがあり、登山をしなくても手軽に大自然を楽しめる。

さらに、市ノ瀬ビジターセンター隣にある市ノ瀬休憩所が、すっげー立派で自由に使えて、めっちゃくつろげる。

とどめは、温泉。日本秘湯を守る会に属する温泉施設がすぐ目の前にある。

それで、キャンプ場の利用料金がたったの300円。

いや、マジでね、日本を代表する名山のひとつ、白山のふもとでのんびりとした時間を過ごし、ここにしかない秘湯に入れるってだけで、市街地から1時間以上かけてわざわざ行く価値があるってもんですよ。

「登山は興味ないからなあ」って方も、ぜったい満足するキャンプ場です。ボクが保証しますよ(笑)

 

人間って、目で見た文字を頭の中で音声に変換してから意味を理解してるんだって。

なので、目で見るより音で聞いた方が、スムーズに頭の中に入るとか。

この記事のyoutube版も作ったので、よろしければ見てくださいね~



市ノ瀬野営場までのルート

市ノ瀬野営場のある白山市は、石川県の南部に位置し、2005年(平成17年)、松任市、美川町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の1市2町5村が合併して誕生しました。

県内の自治体で最大の面積を有し、人口は県庁所在地の金沢市に次いで2番目です。

市全体が一級河川手取川(てどりがわ)の流域で、下流域で手取川扇状地を形成して日本海へと注いでいます。

また、南部は富士山、立山と共に日本三霊山の一つに数えられる白山のある山岳地帯になっており、日本有数の豪雪地帯でもあります。

白山市は、山、川、海の豊かな自然に恵まれた地域なので、山間部と海岸部の標高差はなんと2700m!おどろきの地形ですよね~

この白山から日本海にかけての狭い範囲で水の循環が生み出されていることから、全域が「山-川-海そして雪 いのちを育む水の旅」をテーマとする白山手取川ジオパークとして認定されています。

ホント、自然豊かな自治体なんです。

東洋経済「都市データパック」編集部が1993年以降発表している住みよさランキングでは、2019年、白山市が堂々の全国1位を獲得!

県庁所在地の金沢市に隣接し、ベッドタウンとして発展する一方、石川県を代表する工業都市でもあります。

ランキング1位になった理由は、快適度が8位とかなりの上位を占めたほか、住宅地地価を除くすべての富裕度の指標が全国平均を上回ったことにあるみたい。

ちなみに、全国3位も同じ石川県の野々市市(ののいちし)。白山市のお隣の自治体です。

なんか、ちょっと住んでみたくなったし(笑)

 

さて、市ノ瀬野営場は、白山市の中心市街地から国道157号線などを通って約58km、車で1時間15分くらい。

福井県永平寺町(えいへいじちょう)にある中部縦貫自動車道(永平寺大野道路)の「永平寺」ICからだと、東に約53km、車で約1時間。

岐阜県白川村(しらかわむら)にある東海北陸自動車道「白川郷」ICから白山白川郷ホワイトロード(通行不可期間あり)を通るルートだと、西に約72km、車で約2時間かかります。

まあ、当たり前ですけど、標高2700mもある山のふもとにあるキャンプ場に向かうわけですから、どこを通っても相応の時間がかかります。

とはいえ、多くの観光客、登山客が訪れる富山県を代表する名所なので、道路はもちろん、市ノ瀬ビジターセンターなどの周辺施設は充実しているうえ、しっかり管理が行き届いていて、ハンパなくキレイです。

キャンプ場の直近には、温泉宿泊施設もあり、清涼飲料水の自動販売機も設置されていますから、べつに山奥の何もないところで野宿をするような不便さはありません。

ただし、周囲30km圏内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアはなく、最寄りのガソリンスタンドも10km以上離れています。

しっかりと準備をしてから向かうことをおススメします。

市ノ瀬野営場を紹介するよ

市ノ瀬野営場は、白山国立公園内にあるキャンプ場です。

まず、白山について紹介しますね。

白山は、富士山、立山とともに日本三名山(霊山)の一つに数えられ、山頂は、最高峰の御前峰(ごぜんがみね:標高2,702m)、大汝峰(おおなんじみね:標高2,684m)、剣ヶ峰(けんがみね:標高2,677m)のいわゆる白山三峰で構成されています。

また、別山(べつざん:標高2,399m)と三ノ峰(さんのみね:標高2,128m)を加えて「白山五峰」とか「白山連峰」などと呼ばれることもあります。

白山は信仰の山でもあり、717年に越前(現在の福井県)の僧、泰澄(たいちょう)が、はじめて白山に登り修行したのがはじまりと伝えられており、最高峰である御前峰の山頂には、白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)奥宮があります。

なぜ白山と呼ばれるようになったのか、その由来については、古くは越白嶺(こしのしらね)や白山(しらやま)の名で和歌にも詠まれており、それがいつしか「はくさん」となったとされています。

宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰や福島県の川俣町にある霊山なんかも、山岳信仰の山でしたね~

市ノ瀬野営場までの道順について

市ノ瀬野営場へは、国道157号線から県道33号線に入り、13kmほど山に向かって南下します。

一本道なので、迷うことはないと思います。

道路は片側1車線の舗装道路で、道幅も市街地と同じであり、急カーブや凸凹もなく、かなり走りやすい道です。

まわりの景観もめちゃいいんですよ、これが。

 

手取川の流れ。

おだやかな感じを受けますが、とんでもない!

過去になんども氾濫しまくった暴れ川です。

とくに1934年(昭和9年)7月には、前の年の大雪による残雪と豪雨の影響で水量が増加し、市ノ瀬の上流にある別当谷で大崩壊が発生、市ノ瀬集落は壊滅、死者・行方不明者が100人を超える大災害となりました。

ちなみに、手取川の名前は、平安時代末期の1183年、現在の富山県小矢部市と石川県津幡町の間にある倶利伽羅峠(くりからとうげ)で、源義仲(みなもとのよしなか)率いる源氏軍と平維盛(たいらのこれもり)率いる平家軍との間で戦われた合戦のあと、平家軍を追う義仲軍が増水して濁流となっている川を渡るとき、兵がお互いに手に手を取って流されないようにして渡ったことに由来するそうです。

 

市ノ瀬野営場に向かう途中にある「百万貫の岩(ひゃくまんがんのいわ)

 

1934年の大洪水のときに手取川の支流、宮谷川から流出したもの。

大きさは横幅19.175m、高さ16.160m、周長約52m、体積1,890立方メートル、質量は4,839t(約129万貫)とされ、流出岩塊としては、日本最大級。

大災害の様子を後世に伝える資料であり、県指定天然記念物になっているほか、日本の地質百選にも選定されています。

 

百万貫の岩からだいたい5分くらいで白山国立公園内市ノ瀬野営場に到着です。

 

周辺施設はこんな感じ。

駐車場は、主に登山客が車を止める場所です。

じつは、市ノ瀬野営場の利用者は、テントサイト直近まで車の乗り入れが可能

自分のテントの前に車やバイクを止められるんです。

はっきり言って、オートキャンプ場とほぼ同じ。

荷物をたくさん持ってくる家族連れの方も、荷物の搬送にぜんぜん苦労しませんよ。

ただし、テントサイトまでの道は未舗装で敷き詰められた砂利にタイヤを取られるうえ、下り坂になっているんで、大型バイクや荷物満載のバイクは転倒に注意してください。

ここまで読んでくださった方は気がついていると思いますが、この日は、ハンパない大雨でした。

市ノ瀬野営場の良さが10分の1も伝えられないような状況だったんですが、じっさいに利用したボクからすれば、逆にすっごく静かで落ち着いてのどかな時間を過ごせました。

おいおい写真で紹介していきますが、雨でもすっごく魅力的な場所には変わりありませんよ。

マジで。

市ノ瀬ビジターセンターについて

市ノ瀬ビジターセンターです。

平成12年に開設され、白山登山の拠点として、周辺の動植物や登山情報を得ることができます。

市ノ瀬野営場の利用申し込みや登山届の提出はここで行います。

野営場の利用は、1泊中学生以上1人500円、小学生250円、未就学児無料。(清掃協力金)

なお、開館期間は、例年5月から11月上旬までで、開館中は無休、営業時間は午前8時45分から午後5時までとなっています。

 

建物は2階建てで、入口が2階になります。

中央のホールには、主に白山国立公園の概要や国立公園内での利用マナーが紹介されていますね。

足元には白山国立公園全体が見渡せる空撮した写真があったり、頭上には山頂からの景色などが飾られています。

 

外観も中もすっごく立派でしょ。

映像コーナーや情報検索コーナーなんかもあって、白山の動植物や地質、山麓の文化などを映像で見ることができるんですね~

 

市ノ瀬周辺の地図と生息する植物の写真なんかも張られていました。

市ノ瀬休憩所について

市ノ瀬野営場に来たら、ぜひ利用してほしい施設が、ビジターセンターに隣接する市ノ瀬休憩所です。

 

休憩所は、2018年10月8日、環境省中部地方環境事務所が整備したもので、登山や散策で訪れた利用者が、畳の休憩スペースや屋外テラスで、ゆ~ったりとくつろげる施設になっています。

 

建物は、地上1階、地下1階建てで、入口のある1階には畳の休憩スペースと屋外テラスがあり、地下階には更衣室や靴の洗い場を設けてあります。

利用時間は、市ノ瀬ビジターセンターと同じく午前8時45分から午後5時まで。

閉館時間は施錠され、中に入ることはできません。

利用料金は無料です。

 

どうです?とってもきれいないい施設だと思いませんか?

畳の休憩スペースは土足厳禁。体を横にして休むことができます。

 

テーブルやイスも用意されています。

 

ボクのおススメが、こちらの屋外テラス。

木製のオットマン付きリクライニングチェアとテーブルが置いてあるんですが、このイスがとっても快適。

 

イスに座ると目の前には市ノ瀬野営場の緑鮮やかな景色が広がり、手取川のせせらぎも聞こえてきます。

 

テラスにも屋根があるので、外が大雨でもまったく影響ありません。

涼しくて湿度も低く、めっちゃ気持ちいい!

休憩所は午後5時で施錠されてしまうんですが、テラスは屋外にあるため、終日利用できます。

外が雨ということもあって、暗くなるまでボーっとのどかな時間を過ごしました(笑)

ただし、この屋外テラスも含め、休憩所周辺にテントを張ることは禁止されています。

テントは野営場内でお願いしますね~

テントサイトについて

テントサイトはビジターセンターや休憩所の北側一帯、一段下った場所にあります。

ビジターセンターでいただいた見取図で説明しますね。

 

市ノ瀬野営場の全体図。方角は上が北です。

テントサイト大きく分けて2つ。

炊事棟を中心に東側をテントサイトA、西側をテントサイトBと呼びます。

テントサイトAは、さらに上段部分と下段部分に分かれています。

テントサイトAは、上段下段ともだいたいテントを5張りくらい設置できるようになっています。

テントサイトBは炊事場よりさらに先に進んだ場所になり、トイレが近くにあって便利です。

こちらは、だいたい10張りのテント設営が可能。

昔は、市ノ瀬野営場は、登山客であふれていたそうですが、最近は駐車場での車中泊が増えたみたいで、利用客は少なくなっているっぽい。

まあ、たしかに、翌日朝早くに登山すると考えれば、テントなどの撤収の時間は惜しいですからね。

でも、テント泊にはテント泊の良さがあるんですよ~

 

テントサイトAへは、休憩所の東手にあるトイレから砂利敷きの道を北に下りて行きます。

ビジターセンターで申し込んだときに説明を受けますが、サイト内にさえ車を入れなければ、場内の車の通行は自由です。

テントサイトに車を横付けできるので、オートキャンプ場とほとんど同じ使い方ができます。

荷物を運ぶのに苦労しないので、すっごくいいですよね~

 

砂利敷きの道路を挟んで手前がテントサイトA(上段)です。

電灯やテーブルなどの設備が何もない芝生のフリーサイトで、混雑していないのなら、ここを選ばなくてもいいでしょう。

奥にも道があって芝生広場になっていますが、テントサイトとしては使ってないみたい。

めっちゃ混んでいるころには使ってたのかも。

道路に敷かれた砂利はけっこう深く、バイクだとハンドルを取られたり、タイヤが埋まってスリップしたりします。

荷物満載のバイクや大型は気をつけてください。

 

テントサイトA(上段)から炊事場に向かって進むと、テントサイトA(下段)です。

ここがボクのイチオシ!

っていうか、ぜったいここにすべきですよ。

 

炊事場に近く、5組の木製のテーブルとベンチ、かまどが置かれていて、使い勝手はバッチリ!

道路わきに車を止めれば、オートキャンプ場みたいなもの。

 

街路灯があって夜でも真っ暗じゃないし、階段を登ればすぐにビジターセンターです。

 

写真の明るさを上げて見やすくしてるけど、だいたい夜はこんな感じ。

土と芝生のフリーサイトで、ペグの刺さりは悪くなさそう。

ですが、この日はあまりにも雨脚が強くて水はけがいいかどうか、地面状態の詳細はわかりませんでした。

低い部分は水たまりがたくさんできてましたね。

携帯電話の電波はドコモ4Gで、アンテナMAXで受信状態は良好でした。

ラジオはAM、FMとも受信状態は良くありませんでした。

 

炊事場の北西側にあるファイヤーサークル。

 

ファイヤーサークルから50mくらい先の左手にトイレがあります。

道路を挟んで右手がテントサイトBです。

 

テントサイトBは、土と芝のフリーサイトで地面は平坦です。

トイレの前までだいたい10くらいのテントが設営可能。

ここにもテントが設営できるだけの木製のテーブルとベンチ、かまどが置かれています。

生い茂った木々がじつに涼やかでしょ?

市ノ瀬野営場のテントサイトは、すっごく使いやすい配置になっていると思うんですよね~

その分、敷地はけっこう広いのに最大20張りのテントで満員になっちゃうけど。

とはいえ、せっかく大自然の中の野営場に来たんですから、ひろびろのんびりできるのはいいことですけどね~

 

これは、テントサイト北側にある手取川。

幾多の氾濫を経て今の手取川があるので、増水で野営場まで水が来ることはないと思います。

ただし、近くに川があるということは忘れないように。

足を滑らすとか、そういう危険はありますので。

市ノ瀬野営場の注意事項は、ほかのキャンプ場と同じで、ゴミは持ち帰りと焚火の直火は禁止ってとこ。

富山県入善町の墓ノ木自然公園キャンプ場にあった注意書き、「とれるのは写真だけ、残せるのは思い出だけ」ですね~

炊事場について

炊事場はテントサイトA(下段)の敷地にあります。

屋根付き、電灯あり、コンクリート製でものすごく頑丈なつくり。

ちょっとやそっとの暴風雨じゃビクともしません。

 

中央に水道。

コンクリート造りでステンレスのシンク、蛇口が左右3つずつの合計6個。

水は上水道なので、そのまま飲むことができます。

 

洗い場もあります。

登山靴などの用具を洗うのにも便利ですよね。

こういう設備を見ると、市ノ瀬野営場は、登山客に配慮したキャンプ場なんだなあって思います。

 

東と西の両端には耐熱レンガで組んだかまどが6つずつあります。

いずれもキレイに掃除されており、破損は全くなし。

いつでも使える状態です。

 

水道を挟んで炊事場の北側と南側は、ベンチ状になっています。

ちょっとした荷物も置けるし、もちろん、座ることも。

いやホント、機能的なつくりの炊事場ですよね~

ボクが利用したのは、6月下旬なんですけど、これだけ緑が生い茂った状態でも、蚊は見ませんでした。

ただ、炊事場の電灯をつけっぱなしにしておくと、夜の間中、めっちゃでっかい蛾が大量に寄ってきます。

夜明け前にはほとんどいなくなりましたが、虫の苦手な方は、気をつけてください。

トイレについて

市ノ瀬野営場のトイレは2か所。

 

1か所目は、テントサイトA(上段)の南側、サイト外にあります。

炊事場と同じデザインで、こちらもものすごく頑丈そう。

男女別になっています。

 

こちらが男性用。

床はタイルで壁がガラス。日の光を取り込むので、明るく感じます。

 

男性用小便器は水洗式が4つ。

今どき珍しい灰皿もあります。

写真でもわかる通り、ピッカピカ。

すごくキレイでした。

 

大便用は、水洗和式が2つ。

こちらも掃除が行き届いており、予備のトイレットペーパーもちゃんとあります。

管理が行き届いていますね~

 

もうひとつのトイレは、テントサイトBの目の前にあります。

こちらも男女別の立派なつくり。

 

こちらのトイレは、休憩所のとなりにあるトイレよりずっと新しいですね。

洗面所もあって、中は全体的にめっちゃキレイ。

 

床と壁はタイル張りになっていて、休憩所わきのトイレと作りはほぼ同じ。

水洗式の男性用小便器が4つ。

 

大便用は水洗和式が2つ。

いずれもキレイに掃除されていて、いやな臭いはまったく感じません。

トイレがきれいだと、気持ちよくキャンプすることができますからね~

管理をしてくださってる方に、感謝ですね~

周辺施設の紹介

【2019年利用時の情報です】

市ノ瀬野営場の魅力の一つになっているのが、目の前にある白山温泉「永井旅館(ながいりょかん)」さん。

創業は昭和10年。国道157号線と白山へ向かう県道33号線の交差点付近にある白峰温泉「白山苑」さんの姉妹宿として建てられました。

創業当初は、歩荷(ぼっか)と呼ばれる白山の山小屋に荷運びをする人たちが主に利用していたそうです。

たくさんの山がある日本では昔から多くの歩荷の方々が活躍していて、富士山や立山では、100kgを超える荷物を背負って標高3,000m以上を登る猛者もいました。

ボクは、たまに登山もするんですけど、20kgでもハンパない重さですし、死にそうになるくらい頑張っても何とか30kgがいいところ。

100kgの荷物を背負うなんて、想像もつきませんね~

そんな力仕事をこなす歩荷さんのためにと、永井旅館で考え出されたオリジナル調味料が「にんにく味噌」です。

この調味料のおかげで食事のバリエーションが増え、歩荷さんの大きな力になったんだって。

もちろん、にんにく味噌の味は今も永井旅館で継承されています。

 

木造建築2階建ての古い家屋のような外観。

1階の雨戸や2階の欄干の様子など、味わい深いたたずまいですね~

日帰り入浴用のお風呂は、ちょうど写真中央にチラッと屋根だけが見える、平成元年に増築された新館にあります。

 

永井旅館さんの駐車場。

 

最近じゃめずらしい公衆電話と清涼飲料水の自動販売機があります。

夜中でも手軽に飲み物が買えるって、こうした山の中の野営場を利用するときは、うれしいことですね~

ちなみにお値段は、通常通り。山の中だからってプレミアムはついていません。

 

こちらが玄関。

永井旅館さんは、4月下旬 ~ 11月下旬まで営業しています。

日帰り入浴は、10:00~20:00(最終受付19:00)で、料金は600円です。

 

玄関のい中はこんな感じ。

めっちゃ風情がある。

永井旅館さんは、新鮮なイワナの刺身や塩焼き、白峰名物の堅豆腐、山菜の天ぷらやヤマウドのかす合えなど、素朴ながらも市街地じゃなかなか食べられない自然の恵みいっぱいの料理を出してくれます。

とくに鍋料理は、見た目は普通ながらも、「自家製のにんにく味噌」を使っているんで、これまたハンパないおいしさ。

ちなみに、従業員が総出で取ってくるという山菜は、旅館や石川県白山市瀬戸地内の国道360号線沿いにある道の駅「瀬名(せな)」でも売っています。

 

日帰り入浴は、中央の階段を上って、新館に向かいます。

 

渡り廊下を渡った正面が新館。

 

歴史を感じるたたずまいの旧館に比べると、新館は趣を感じさせつつも、今風のキレイなつくり。

山や高山植物の写真が、まさに山小屋の雰囲気ですね~

 

お風呂は男湯と女湯に分かれています。

英語表記があるってことは、外国の方もよく訪れるってことなのかもね。

 

こちらが男湯の脱衣場。

ロッカーのほか、洗面台、ドライヤー、体重計が置かれたのみの簡素な脱衣場。

シンプルではありますが、めっちゃ清潔感であふれてます。

 

さて、お待ちかねの日本秘湯を守る会にも入っている永井旅館さんの日帰り入浴用のお風呂がこちら。

総檜造りで、めちゃくちゃいい香りがします。

ホント、これでもかってくらいヒノキの香りがスゴイ!

浴槽は真ん中で2つに仕切られており、向かって右の小さい浴槽は源泉掛け流し、左側の大きい方は加温循環ろ過式です。

源泉は、旅館より500m上流にある約46度のお湯で、毎分30Lをパイプにより自然流下で引湯しています。

小浴槽は源泉かけ流しのため、天候や外気温によって温度が変化し、だいたい20~38度くらい。

夏場でもかなりぬるめに感じるお風呂です。

大浴槽は、衛生を保つため循環ろ過、加水により温度調節をしていて、だいたい41、2度くらい。

ボクは、ちょうどいい湯加減だと思いました。

 

泉質はナトリウム-塩化物、炭酸水素塩泉で、匂いはほとんど感じなく、見た目も無色透明です。

いわゆる温泉臭がほとんどないから、ヒノキの木の香りが浴室いっぱいに広がってるんでしょうね~

そして、肌がキュキュっとする浴感がとてもいい!

似たような泉質の温泉には、新潟県糸魚川市「塩の道温泉ホテルホワイトクリフ」さんや青森県弘前市の百沢温泉などがあります。

 

源泉かけ流しの方の湯口には、温泉からの析出物がびっしりついていて、なんか、鍾乳洞みたいになっていました(笑)

 

古くからある秘湯だと、洗い場も小さくシャワーもなくて、シャンプーとかボディソープも備え付けてないってイメージがありますが、永井旅館さんは違います。

温度調整付きのシャワー付きカランが5つ、ボディソープ類もあります。

山の中マジも露天風呂のみのマジモンの秘湯につかるのも悪くないけど、やっぱり、旅の途中に行く温泉は、ある程度便利じゃないと、ぶっちゃけくつろげないんだよなあ。

軟弱者な旅人でスミマセン(笑)

いや~マジで昔ながらの素朴なヒノキ造りの湯舟につかりながら、上質の温泉をた~ぷり味わえて、最高でした!

そういや、永井旅館のお風呂は温度差のある小浴槽と大浴槽、交互に入るのがいいらしいんですけど、最後にどっちに入ってからあがるのが正解なんだろう。

教えて!温泉通の方。

名称 永井旅館
かな ながいりょかん
住所 石川県白山市白峰ノ38番地
連絡先 電話番号 076-259-2339、FAX 0761-259-2819
営業期間 4月下旬 ~ 11月下旬
営業時間 午前10時から午後8時まで(最終受付午後7時)
料金 日帰り入浴600円

宿泊一人一泊二食付:新館二名利用: 13,000円~、本館ニ名利用: 12,000円~

ジャンル 宿泊温泉施設
駐車場 普通車5,6台可
備考 市ノ瀬野営場、市ノ瀬ビジターセンターあり。白山登山口の宿

市ノ瀬野営場データ

市ノ瀬野営場は、富士山、立山ともに三霊山の一つに数えられる白山の登山口に位置するため、登山のベース地に利用されることが多いキャンプ場です。

周辺には天然のブナ林や散策路があり、白山に登らなくても大自然を満喫できる環境にあります。

野営場と聞くと、野宿のような設備の整っていない荒れ地を想像するかもしれませんが、ぜ~んぜん違いますから。

テントサイトは芝のフリーサイトですが、どこもきれいに整地されており、炊事場とトイレもめっちゃ立派で清潔に保たれています。

周囲には市ノ瀬ビジターセンターと休憩所があり、白山登山の情報収集からゆっくりと体を寝かせての休憩まで、幅広く活用できます。

そして、野営場の目の前にある温泉施設「永井旅館」さん。こちらが、市ノ瀬野営場の魅力を何倍にもしてると思います。

たしかに、市ノ瀬野営場は中心市街地から車で1時間以上かかるほど離れていますし、旅行の途中で立ち寄るキャンプ場としては不向きでしょう。

だけど、町うちではなかなか見られないようなホンモノの自然に囲まれてるし、施設は充実、しかも、目の前が昭和10年創業の老舗の温泉宿と、わざわざ行く価値のある場所だと思います。

なんなら、永井温泉に入るためだけに泊まってもいいくらい。

いや、じっさい、登山シーズン前の平日で、天気は大雨だというのに、永井旅館さんには湯治客が数組いらっしゃいましたからね~

夏から秋にかけての登山シーズンは、どんだけ混むんだっていうくらいにぎわいそう。

時間に余裕があるツーリングや自然を満喫したい家族連れの方、温泉大好きな方には、めっちゃおススメのキャンプ場ですよ~

名前 市ノ瀬野営場
かな いちのせやえいじょう
住所 石川県白山市白峰市ノ瀬地内
連絡先 市ノ瀬ビジターセンター(TEL076-259-2504)、白山市地域振興公社(TEL:076-259-2022)
管理者 国、県
営業期間 6月から11月中旬

市ノ瀬ビジターセンターで申し込み必要(5月~11月の開館期間中は無休、営業時間は午前8時45分から午後5時まで)

料金 清掃協力金として、中学生以上1人500円、小学生250円、未就学児無料
ジャンル 芝生フリーサイト
施設 テントサイト、炊事場、トイレ、駐車場など(温泉施設隣接)
備考 ゴミ持ち帰り、直火禁止



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