【更新情報】2019年7月
こんにちは。motocampers.net(モトキャンパーズ)管理人の晴れろGO!こと、ハレロゴです。
今回紹介する市ノ瀬(いちのせ)野営場は、石川県白山市(はくさんし)にある低料金で利用できるキャンプ場です。
白山(はくさん)国立公園の中にあり、白山登山の玄関口として多くの登山客でにぎわいます。
周辺施設の管理は国と県がしており、利用料金は、1泊中学生以上1人300円、小学生150円、未就学児無料です。
利用にあたっては、事前の予約は必要ありませんが、敷地内にある市ノ瀬ビジターセンター(TEL:076-255-5321)で申し込みを行ってください。
市ノ瀬ビジターセンターは、例年5月から11月まで開館しており、開館期間中は無休、営業時間は午前8時45分から午後5時までとなっています。
なお、キャンプ場は11月中旬から5月末までは冬季閉鎖のため利用できません。
市ノ瀬野営場は、白山の登山口に位置するため、登山のベースキャンプに利用されることが多い場所です。
白山市の中心市街地から車で1時間以上も離れた山の中にあるので、登山以外であえて利用する方は少ないかも。
ですが、ボクはじっさいに利用してみて、すっごく魅力的なキャンプ場だと思いました。
その理由は、た~くさんあるんですが、まず、炊事場やトイレなどのキャンプ場内の設備が整ってる。
んで、周辺には天然のブナ林や自然を満喫できる散策路やトレッキングコースがあり、登山をしなくても手軽に大自然を楽しめる。
さらに、市ノ瀬ビジターセンター隣にある市ノ瀬休憩所が、すっげー立派で自由に使えて、めっちゃくつろげる。
とどめは、温泉。日本秘湯を守る会に属する温泉施設がすぐ目の前にある。
それで、キャンプ場の利用料金がたったの300円。
いや、マジでね、日本を代表する名山のひとつ、白山のふもとでのんびりとした時間を過ごし、ここにしかない秘湯に入れるってだけで、市街地から1時間以上かけてわざわざ行く価値があるってもんですよ。
「登山は興味ないからなあ」って方も、ぜったい満足するキャンプ場です。ボクが保証しますよ(笑)
市ノ瀬野営場までのルート
市ノ瀬野営場のある白山市は、石川県の南部に位置し、2005年(平成17年)、松任市、美川町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の1市2町5村が合併して誕生しました。
県内の自治体で最大の面積を有し、人口は県庁所在地の金沢市に次いで2番目です。
市全体が一級河川手取川(てどりがわ)の流域で、下流域で手取川扇状地を形成して日本海へと注いでいます。
また、南部は富士山、立山と共に日本三霊山の一つに数えられる白山のある山岳地帯になっており、日本有数の豪雪地帯でもあります。
白山市は、山、川、海の豊かな自然に恵まれた地域なので、山間部と海岸部の標高差はなんと2700m!おどろきの地形ですよね~
この白山から日本海にかけての狭い範囲で水の循環が生み出されていることから、全域が「山-川-海そして雪 いのちを育む水の旅」をテーマとする白山手取川ジオパークとして認定されています。
ホント、自然豊かな自治体なんです。
東洋経済「都市データパック」編集部が1993年以降発表している住みよさランキングでは、2019年、白山市が堂々の全国1位を獲得!
県庁所在地の金沢市に隣接し、ベッドタウンとして発展する一方、石川県を代表する工業都市でもあります。
ランキング1位になった理由は、快適度が8位とかなりの上位を占めたほか、住宅地地価を除くすべての富裕度の指標が全国平均を上回ったことにあるみたい。
ちなみに、全国3位も同じ石川県の野々市市(ののいちし)。白山市のお隣の自治体です。
なんか、ちょっと住んでみたくなったし(笑)
さて、市ノ瀬野営場は、白山市の中心市街地から国道157号線などを通って約58km、車で1時間15分くらい。
福井県永平寺町(えいへいじちょう)にある中部縦貫自動車道(永平寺大野道路)の「永平寺」ICからだと、東に約53km、車で約1時間。
岐阜県白川村(しらかわむら)にある東海北陸自動車道「白川郷」ICから白山白川郷ホワイトロード(通行不可期間あり)を通るルートだと、西に約72km、車で約2時間かかります。
まあ、当たり前ですけど、標高2700mもある山のふもとにあるキャンプ場に向かうわけですから、どこを通っても相応の時間がかかります。
とはいえ、多くの観光客、登山客が訪れる富山県を代表する名所なので、道路はもちろん、市ノ瀬ビジターセンターなどの周辺施設は充実しているうえ、しっかり管理が行き届いていて、ハンパなくキレイです。
キャンプ場の直近には、温泉宿泊施設もあり、清涼飲料水の自動販売機も設置されていますから、べつに山奥の何もないところで野宿をするような不便さはありません。
ただし、周囲30km圏内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアはなく、最寄りのガソリンスタンドも10km以上離れています。
しっかりと準備をしてから向かうことをおススメします。
市ノ瀬野営場を紹介するよ
市ノ瀬野営場は、白山国立公園内にあるキャンプ場です。
まず、白山について紹介しますね。
白山は、富士山、立山とともに日本三名山(霊山)の一つに数えられ、山頂は、最高峰の御前峰(ごぜんがみね:標高2,702m)、大汝峰(おおなんじみね:標高2,684m)、剣ヶ峰(けんがみね:標高2,677m)のいわゆる白山三峰で構成されています。
また、別山(べつざん:標高2,399m)と三ノ峰(さんのみね:標高2,128m)を加えて「白山五峰」とか「白山連峰」などと呼ばれることもあります。
白山は信仰の山でもあり、717年に越前(現在の福井県)の僧、泰澄(たいちょう)が、はじめて白山に登り修行したのがはじまりと伝えられており、最高峰である御前峰の山頂には、白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)奥宮があります。
なぜ白山と呼ばれるようになったのか、その由来については、古くは越白嶺(こしのしらね)や白山(しらやま)の名で和歌にも詠まれており、それがいつしか「はくさん」となったとされています。
宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰や福島県の川俣町にある霊山なんかも、山岳信仰の山でしたね~
市ノ瀬野営場までの道順について
市ノ瀬野営場へは、国道157号線から県道33号線に入り、13kmほど山に向かって南下します。
一本道なので、迷うことはないと思います。
道路は片側1車線の舗装道路で、道幅も市街地と同じであり、急カーブや凸凹もなく、かなり走りやすい道です。
まわりの景観もめちゃいいんですよ、これが。
手取川の流れ。
おだやかな感じを受けますが、とんでもない!
過去になんども氾濫しまくった暴れ川です。
とくに1934年(昭和9年)7月には、前の年の大雪による残雪と豪雨の影響で水量が増加し、市ノ瀬の上流にある別当谷で大崩壊が発生、市ノ瀬集落は壊滅、死者・行方不明者が100人を超える大災害となりました。
ちなみに、手取川の名前は、平安時代末期の1183年、現在の富山県小矢部市と石川県津幡町の間にある倶利伽羅峠(くりからとうげ)で、源義仲(みなもとのよしなか)率いる源氏軍と平維盛(たいらのこれもり)率いる平家軍との間で戦われた合戦のあと、平家軍を追う義仲軍が増水して濁流となっている川を渡るとき、兵がお互いに手に手を取って流されないようにして渡ったことに由来するそうです。
市ノ瀬野営場に向かう途中にある「百万貫の岩(ひゃくまんがんのいわ)」
1934年の大洪水のときに手取川の支流、宮谷川から流出したもの。
大きさは横幅19.175m、高さ16.160m、周長約52m、体積1,890立方メートル、質量は4,839t(約129万貫)とされ、流出岩塊としては、日本最大級。
大災害の様子を後世に伝える資料であり、県指定天然記念物になっているほか、日本の地質百選にも選定されています。
百万貫の岩からだいたい5分くらいで白山国立公園内市ノ瀬野営場に到着です。
周辺施設はこんな感じ。
駐車場は、主に登山客が車を止める場所です。
じつは、市ノ瀬野営場の利用者は、テントサイト直近まで車の乗り入れが可能。
自分のテントの前に車やバイクを止められるんです。
はっきり言って、オートキャンプ場とほぼ同じ。
荷物をたくさん持ってくる家族連れの方も、荷物の搬送にぜんぜん苦労しませんよ。
ただし、テントサイトまでの道は未舗装で敷き詰められた砂利にタイヤを取られるうえ、下り坂になっているんで、大型バイクや荷物満載のバイクは転倒に注意してください。
ここまで読んでくださった方は気がついていると思いますが、この日は、ハンパない大雨でした。
市ノ瀬野営場の良さが10分の1も伝えられないような状況だったんですが、じっさいに利用したボクからすれば、逆にすっごく静かで落ち着いてのどかな時間を過ごせました。
おいおい写真で紹介していきますが、雨でもすっごく魅力的な場所には変わりありませんよ。
マジで。
市ノ瀬ビジターセンターについて
市ノ瀬ビジターセンターです。
平成12年に開設され、白山登山の拠点として、周辺の動植物や登山情報を得ることができます。
市ノ瀬野営場の利用申し込みや登山届の提出はここで行います。
野営場の利用料金は、1泊中学生以上1人300円、小学生150円、未就学児無料。
なお、開館期間は、例年5月から11月上旬までで、開館中は無休、営業時間は午前8時45分から午後5時までとなっています。
建物は2階建てで、入口が2階になります。
中央のホールには、主に白山国立公園の概要や国立公園内での利用マナーが紹介されていますね。
足元には白山国立公園全体が見渡せる空撮した写真があったり、頭上には山頂からの景色などが飾られています。
外観も中もすっごく立派でしょ。
映像コーナーや情報検索コーナーなんかもあって、白山の動植物や地質、山麓の文化などを映像で見ることができるんですね~
市ノ瀬周辺の地図と生息する植物の写真なんかも張られていました。
市ノ瀬休憩所について
市ノ瀬野営場に来たら、ぜひ利用してほしい施設が、ビジターセンターに隣接する市ノ瀬休憩所です。
休憩所は、2018年10月8日、環境省中部地方環境事務所が整備したもので、登山や散策で訪れた利用者が、畳の休憩スペースや屋外テラスで、ゆ~ったりとくつろげる施設になっています。
建物は、地上1階、地下1階建てで、入口のある1階には畳の休憩スペースと屋外テラスがあり、地下階には更衣室や靴の洗い場を設けてあります。
利用時間は、市ノ瀬ビジターセンターと同じく午前8時45分から午後5時まで。
閉館時間は施錠され、中に入ることはできません。
利用料金は無料です。
どうです?とってもきれいないい施設だと思いませんか?
畳の休憩スペースは土足厳禁。体を横にして休むことができます。
テーブルやイスも用意されています。
ボクのおススメが、こちらの屋外テラス。
木製のオットマン付きリクライニングチェアとテーブルが置いてあるんですが、このイスがとっても快適。
イスに座ると目の前には市ノ瀬野営場の緑鮮やかな景色が広がり、手取川のせせらぎも聞こえてきます。
テラスにも屋根があるので、外が大雨でもまったく影響ありません。
涼しくて湿度も低く、めっちゃ気持ちいい!
休憩所は午後5時で施錠されてしまうんですが、テラスは屋外にあるため、終日利用できます。
外が雨ということもあって、暗くなるまでボーっとのどかな時間を過ごしました(笑)
ただし、この屋外テラスも含め、休憩所周辺にテントを張ることは禁止されています。
テントは野営場内でお願いしますね~
テントサイトについて
テントサイトはビジターセンターや休憩所の北側一帯、一段下った場所にあります。
ビジターセンターでいただいた見取図で説明しますね。
市ノ瀬野営場の全体図。方角は上が北です。
テントサイト大きく分けて2つ。
炊事棟を中心に東側をテントサイトA、西側をテントサイトBと呼びます。
テントサイトAは、さらに上段部分と下段部分に分かれています。
テントサイトAは、上段下段ともだいたいテントを5張りくらい設置できるようになっています。
テントサイトBは炊事場よりさらに先に進んだ場所になり、トイレが近くにあって便利です。
こちらは、だいたい10張りのテント設営が可能。
昔は、市ノ瀬野営場は、登山客であふれていたそうですが、最近は駐車場での車中泊が増えたみたいで、利用客は少なくなっているっぽい。
まあ、たしかに、翌日朝早くに登山すると考えれば、テントなどの撤収の時間は惜しいですからね。
でも、テント泊にはテント泊の良さがあるんですよ~
テントサイトAへは、休憩所の東手にあるトイレから砂利敷きの道を北に下りて行きます。
ビジターセンターで申し込んだときに説明を受けますが、サイト内にさえ車を入れなければ、場内の車の通行は自由です。
テントサイトに車を横付けできるので、オートキャンプ場とほとんど同じ使い方ができます。
荷物を運ぶのに苦労しないので、すっごくいいですよね~
砂利敷きの道路を挟んで手前がテントサイトA(上段)です。
電灯やテーブルなどの設備が何もない芝生のフリーサイトで、混雑していないのなら、ここを選ばなくてもいいでしょう。
奥にも道があって芝生広場になっていますが、テントサイトとしては使ってないみたい。
めっちゃ混んでいるころには使ってたのかも。
道路に敷かれた砂利はけっこう深く、バイクだとハンドルを取られたり、タイヤが埋まってスリップしたりします。
荷物満載のバイクや大型は気をつけてください。
テントサイトA(上段)から炊事場に向かって進むと、テントサイトA(下段)です。
ここがボクのイチオシ!
っていうか、ぜったいここにすべきですよ。
炊事場に近く、5組の木製のテーブルとベンチ、かまどが置かれていて、使い勝手はバッチリ!
道路わきに車を止めれば、オートキャンプ場みたいなもの。
街路灯があって夜でも真っ暗じゃないし、階段を登ればすぐにビジターセンターです。
写真の明るさを上げて見やすくしてるけど、だいたい夜はこんな感じ。
土と芝生のフリーサイトで、ペグの刺さりは悪くなさそう。
ですが、この日はあまりにも雨脚が強くて水はけがいいかどうか、地面状態の詳細はわかりませんでした。
低い部分は水たまりがたくさんできてましたね。
携帯電話の電波はドコモ4Gで、アンテナMAXで受信状態は良好でした。
ラジオはAM、FMとも受信状態は良くありませんでした。
炊事場の北西側にあるファイヤーサークル。
ファイヤーサークルから50mくらい先の左手にトイレがあります。
道路を挟んで右手がテントサイトBです。
テントサイトBは、土と芝のフリーサイトで地面は平坦です。
トイレの前までだいたい10くらいのテントが設営可能。
ここにもテントが設営できるだけの木製のテーブルとベンチ、かまどが置かれています。
生い茂った木々がじつに涼やかでしょ?
市ノ瀬野営場のテントサイトは、すっごく使いやすい配置になっていると思うんですよね~
その分、敷地はけっこう広いのに最大20張りのテントで満員になっちゃうけど。
とはいえ、せっかく大自然の中の野営場に来たんですから、ひろびろのんびりできるのはいいことですけどね~
これは、テントサイト北側にある手取川。
幾多の氾濫を経て今の手取川があるので、増水で野営場まで水が来ることはないと思います。
ただし、近くに川があるということは忘れないように。
足を滑らすとか、そういう危険はありますので。
市ノ瀬野営場の注意事項は、ほかのキャンプ場と同じで、ゴミは持ち帰りと焚火の直火は禁止ってとこ。
富山県入善町の墓ノ木自然公園キャンプ場にあった注意書き、「とれるのは写真だけ、残せるのは思い出だけ」ですね~
次のページでは、炊事場やトイレ、温泉施設などを紹介するよ